この記事をまとめると
■身体障害者手帳などの交付を受けていると本来駐車できなところに停められる
■しかしどこに停めてもいいわけではない
■手帳を見せると無料になる駐車場もあるのでうまく利用したい
悪用厳禁! 交付の対象はクルマから人へ
駐車禁止の場所でも駐車が可能になる 「駐車禁止除外指定車」の標章(ステッカー)は、身体障害者手帳、愛の手帳(療育手帳)、戦傷病者手帳、精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている人で一定の条件を満たした方に交付されます。
たとえば、「身体障害者手帳」の場合は、上肢不自由1級、2級の1及び2級の2(上肢障害は両上肢2級以上、片上肢2級は対象外)、下肢不自由1級から4級までの各級、体幹不自由1級から3級までの各級などが対象。また、前出の手帳を有しない人でも「色素性乾皮症患者」と認定された方は交付されます。
かつては、”対象者が所有するクルマ”に対して交付されたのですが、現在はクルマを所有しない人にも交付されるようになりました。つまり、従来はクルマに対する交付、現在は個人に対する交付となったのです。
では駐車可能な場所はどこなのか
ただし、「歩行困難者使用中」の標章を提示して駐車ができる場所について理解している人が少ないのも事実。まずは、駐車可能な場所について。
・道路標識又は道路標示で駐車が禁止されている場所
・パーキング・メーター、パーキング・チケット設置区間(枠内に限る)
すなわち、この2カ所に限られています。2のパーキング・メーター、パーキング・チケット設置区間は無料で駐めることができるというものです。
障害者手帳の提示で駐車料金の無料や割引もあり
しかし、以下の場合は除外されません。
・駐停車禁止場所の駐車(道路交通法第44条及び第75条の8)
・法定駐車禁止場所の駐車(道路交通法第45条第1項各号及び第2項)
・停車又は駐車の方法に従わない駐車(道路交通法第47条第2項~第3項)
・車庫代わり駐車及び長時間駐車(自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条第1項
ここでいう「駐停車禁止場所」は、交差点の5m以内や踏切の10m以内など、標識やペイントで規制されているのではなく、そもそもが駐車禁止の場所。「法定駐車禁止場所」とは駐車場の出入り口から3m以内の場所や消火栓から5m以内の場所などのこと。また、「無余地駐車(駐車時に車両の右側に3.5m幅の余地が確保できない場合)」もNGです。
また「駐車禁止除外指定車」の標章がなくても、障害者手帳を提示することで駐車料金が無料になったり、割引になったりする駐車場もありますので、そうした駐車場を上手に利用することもできます。
近年は「駐車禁止除外指定車」の不正使用が問題になりましたが、きちんと理解して正しい使い方を行ってほしいと思います。