迷ったらこの1本、あえてハズしでの狙い目は?
今年の東京オートサロン(千葉県・幕張メッセ)で、数多くの新作ホイールを披露した「ウェッズ」。毎年、広大なブースに並べられたNEWモデルの数々には驚かされるが、今年は例年よりもさらに増えているではないか。Auto Messe Webでは、すでに2020年モデルを紹介しているが、別の切り口として”新作モデルが似合う車種ジャンル”について解説。今回は、前編として「クレンツェ」「マーベリック」「レオニス」の3ブランドをぶった斬りましょう。
圧倒的な存在感はボディの大きな車種にハマる
【クレンツェ・シンティル】
まずは、ウェッズ筆頭格の「クレンツェ」から。2020年モデルの『シンティル』は対照的な10本のストレートをベースに、複雑な曲線と曲面を取り入れた高貴な3次元デザインで、いかにもクレンツェらしいアーティスティックな仕上がりになりました。細かく見ると、センターパートはダイヤモンドカットのように優美だし、ピアスボルトが備わる台座もこれまで見たこともない独創の造形。光を受けたときに満ち溢れる輝きは、まるで宝飾品といっても過言ではないほど、いいデキをしてますね。
『シンティル』の放つ、ハンパない存在感。ずばり、編集部が思うオススメは”ボディサイズの大きいクルマ”です。ジャンルでいえば大型セダンや中型クラス以上のSUVであり、例えばレクサスLSやトヨタ・ハリアー、マツダのCX-8とCX-5といったところ。もちろん、押し出し感の強い大型ミニバンのトヨタ・アルファード&ヴェルファイアもテッパン。SUVであれば、あえてトヨタRAV4や日産エクストレイルなどのオフロード系に履かせてラグジュアリーなドレスアップも悪くないでしょう。
独創的なデザインだけに履きこなしたときの満足度の高さは、決して他のホイールでは味わえないもの。クルマが格負けするようならば、足元の個性にあわせて手を加えるのがオススメ。主人公はクルマではなく、あえてシンティルに似合うカスタマイズ。これも高級ホイールならではの醍醐味と言えるでしょう。まさに、魔性の一本でもあるのです。
◎シンティルのオススメ車種ジャンル>>>大型セダン、大型ミニバン、SUV、輸入車
編集部オススメ! “脱定番の履きこなし”
クレンツェといえば、高級車のイメージが強いですが、個人的なオススメはあえてのスポーツカーとのコンビ。今年は映画「ワイルドスピード」最新作の公開を控え、密かにスポコンのブームが再燃すると予想。オススメは、GRスープラを筆頭にRX-7(FD3S)や先代スープラ(A80)、GT-Rといったところです。
「シンティル」ならば、脱定番や最新のトレンドに乗れるし、懐の深いスポーツカーだからこそリム幅を深く取れるのでカッコ良さも倍増できちゃいますよ。
Kranze Scintill
●SIZE:19inch(7.5J〜13.0J)、20inch(8.0J〜13.0J)、21inch(8.5J〜12.0J)、22inch(9.0J〜13.0J)
●COLOR:D-CRM(デザインクローム)、BK&BF/BR(ブラック&バフ/ブラッシュド)、SBC-P(SBCポリッシュ)、HGM-P(ハイパーガンメタポリッシュ)
●PRICE(without tax):¥98,000〜¥218,500
素材の旨みを引き立てる優等生が似合うのは?
【マーベリック 1212F】
次はマーベリックの新作『1212F』の似合うクルマについて。その前にホイールのデザインから見ていきましょう。まずは12本のスポークがもたらす絶対的な躍動感にありき。というのもスポークはセンターから斜めに発進、さらにヒネリを加えた形状を加えたり、外側のリム付近で左方向にクイッとフィニッシュさせるなど、まるで回転しているような疾走感に満ちたもの。一見はシンプルだけど、単なる流行のフィンデザインには止まらない”絶妙なさじ加減”もマーベリックらしいですね。
味わい深い『1212F』の場合、非常に凝った作りながらもシンティルとは違って、いい意味でデザインの主張は控えめ。
すなわち、ベースの素材(クルマ)の良さはそのまま活かしつつ、美しい足元造りを絶妙にアシストしてくれる”縁の下の力持ち”な魅力を持っているのです。オススメのひとつは国産セダン。個人的にはトヨタ・クラウンやレクサスESといったアッパーミドルクラス。緩やかに落とし込まれたセンターパートと相まって、抑揚ある表情を生み出すので、同じクルマでも1212Fならばさらに奥深さを感じることが可能です。
また、対応車種の目安となるP.C.D.には、軽自動車やコンパクトカーに合う”100(4H)”をはじめ、”112″および”120″を用意しているのもポイント。しかもインセットは自由にオーダーできるので「自分の愛車に似合うサイズのホイールがない」という輸入車オーナーにも推しの1本なのです。
◎1212Fのオススメ車種ジャンル>>>軽自動車、コンパクトカー、中型セダン、ミニバン、SUV、輸入車
編集部オススメ! “脱定番の履きこなし”
『マーベリック1212F』で似合う脱定番は、SUV。アーバン系なハリアーやCX-5はもちろんですが、あえてRAV4やエクストレイルといったクロカン系でハズしてみるのも面白そうです。プレミアムシルバーとマットブラックから選べるディスクカラーは好みでOK。リムをオプションのブラックに変更してワイルドさをアップするのもいいでしょう。
何よりも1ピース構造が定番なクロカン系SUVだけに、高級2ピース構造ホイールとの意外性はかなりツウなもの。泥臭いのもいいけど、アーバンに仕立ててみるのもいいですよ!
MAVERICK 1212F
●SIZE:16inch(5.5J〜8.0J)、17inch(5.5J〜9.0J)、18inch(7.5J〜10.0J)、19inch(7.5J〜11.0J)、20inch(8.0J〜11.0J)、21inch(9.0J〜11.0J)
●COLOR:プレミアムシルバー、マットブラック
●PRICE(without tax):¥98,000〜¥218,500
履かせたときの印象が変わる注目の設定カラー
【レオニスGX】
デザインやカラーに最新の特殊技術を採用し、ドレスアップ系ホイールの最先端を走るブランド「レオニス」。2020年モデルの『GX』にも翼断面形状を持たせつつ、大胆なエアインテークホールを与えたスポークを採用した、躍動感に満ち溢れるデザインが採用されました。もちろん、それだけに止まらないのがレオニスの持ち味。他にもスポーク付け根の側面部を1段落とし込ませたり、リム付近では大きく傾斜させるなど、バランスに優れる左右非対称デザインを描き切ったのです。
ずばり、15〜20インチという設定サイズのとおり、似合うクルマも幅広い。軽自動車からミニバンまで幅広い車種をカバーしていますが、特にオススメは5ナンバーサイズのコンパクトカーやミニバン、そしてコンパクトSUVあたり。あまりリム幅が大きく取れない車種でも、GXならば持ち味の立体感によってワンランク上の存在感を放つことが可能です。
また、設定色によって印象が変わることも見逃せません。カラーは全部で3色となり、高級感を出したいならば”BMCMC”、シャープな躍動感が欲しいなら”PBMC”、そして”BK/SC RED”ではスポーティかつ個性もしっかりと出せるでしょう。なかでもマシニング加工に赤の電着塗装を施した”BK/SC RED”はイチオシ。純正で増えてきた赤のワンポイントにあわせると”良い感じ”に仕上げられますよ。ぜひ!
◎「レオニスGX」のオススメ車種ジャンル>>>軽自動車、コンパクトカー、5ナンバーミニバン
編集部オススメ! “脱定番の履きこなし”
せっかく凝ったデザインとカラーを持つレオニスだけに、定番の車種ジャンルだけではもったいない! そこで挑戦してほしいのが、SUVです。人気のRAV4はもちろんですが、個人的にはレクサスUXやダイハツのロッキー(トヨタ・ライズ含む)といったコンパクトSUVで履いて欲しい。
凝ったデザインにも関わらず、価格はリーズナブルだし、ポップなボディカラーを持つSUVが増えているなかで、先述の設定色によってイメージをコントロールしてみるのも楽しいはずです。
LEONIS GX
●SIZE:14inch(4.5J〜5.5J)、15inch(4.5J〜6.0J)、16inch(5.0J〜6.5J)、17inch(6.5J〜7.0J)、18inch(7.0J〜8.0J)、19inch(7.5J〜8.0J)、20inch(8.5J)
●COLOR:PBMC(パールブラック/ミラーカット)、BK/SC RED(ブラック/SCマシニング レッド)、BMCMC(BMC ミラーカット)
●PRICE(without tax):¥25,000〜¥69,000
“デカさ”を追求する、もうひとつの「シンティル」
ホイールを選ぶときのポイントとして、見た目の大きさも重要な項目のひとつ。特にミニバンやSUVといったボディ側面の面積が大きい車種は、同じインチでもセダンやクーペに比べると貧弱に見えがち。なんと、「少しでも大きく見せたい」というミニバン&SUVオーナーにオススメな、イチオシの2020年モデルがあったんです!
【クレンツェ・シンティル 168エボ】
『シンティル 168EVO(エボ)』は、見ての通りに3次元デザインが特徴的。「そういえば、”シンティル”ってクレンツェというブランドの新作だよね」と気づいた人はなかなか鋭いです。そのとおりで、3ピースの高級ブランド「クレンツェ」の2020年モデルをモノブロック(1ピース構造)化したのが”168EVO”で、特徴的な曲面や曲線を融合したラインやセンター部分のダイヤカットデザイン、そしてピアスボルト台座の斬新な造形などを踏襲。モノブロック化に伴うラインや曲面を微調整し、優美なシンティルのデザインを身近に感じてもらう一本へと仕上げたのです。
重厚な3ピース構造を持つ「シンティル」とは異なり、リムまでスラリと伸びるスポークがもたらす様は、視覚的に1インチも2インチも大きく、よりエレガントなものに。SUV&ミニバン乗りのテーマである「ホイールはデザインだけでなく見た目のデカさもほしい!」というワガママに応えてくれます!
Kranze Scintill 168EVO
●SIZE:18inch(7.5J)、19inch(8.0J)、20inch(8.5J〜9.5J)、21inch(8.5J)、22inch(9.0J)
●COLOR:SBCポリッシュ
●PRICE(without tax):¥69,000〜¥100,000
いかがでしたか? 今年のウェッズ新作の数々は、単品を見ると非常に凝った造形でカッコいいですが、さらに愛車とのマッチングを考えながらチョイスすれば、その魅力はさらに引き立ちます。次回は人気のウェッズスポーツやF-ZEROに加え、新ブランドを含めてじっくりと検証したいと思います。