まるで高級マンションのようなインテリア
千葉県の幕張メッセで盛大に開催された「ジャパンキャンピングカーショー2020」では、軽キャンパーから人気のキャブコン(小型トラックに居室を乗せたタイプ)、さらには大型のバスコン(マイクロバスを改造)まで多種多様なモデルが大集結。昨今のキャンピングカー人気を象徴するように多くの来場者が訪れた。そんななかで、車体サイズも然り大きな存在感をみせたのが、欧州ブランドを中心とした高級キャンピングカーだ。展示車両に貼られた価格表を見ると1000万円クラスは当たり前であり、なかには2000万円を越す個体もあるなかシェアも拡大しているという。
高級キャンピングカーはどうなっているんだろう。どのような人が、どのような使い方をしているのだろうか。そんな疑問を2社に聞いてみた。
専用設計ならではの高い気配り
まず、訪れたのは全国に7店舗を構える「東和モータース」。バリエーション豊かなキャンピングカーを取り揃えるなかで、注目したのは「サンライト」が手掛けたバンコン『クリフ540』だ。展示車両はオプションを含めて893.6万円と、ほぼ1000万円クラスの高級モデルであり、国産バンコンと比べるとかなり高価。その差はどこにあるんだろうか。
車両は、フィアット社の「デュカト」という小型商用車がベース。豊富なサイズのバンやトラックをラインアップしており、日本でも知名度は高い。展示車両はバンをベースに架装したのもので、機動性の高さも魅力なのだが、1000万円という価値について質問すると「冷蔵庫、コンロ、シンク、トイレ、ダブルベッド、走行充電/外部充電システム、FFヒーター、2重窓、AC/DCコンセントなどを標準装備。キャンピングカー乗りにとって欲しい装備はオプションとはせず、快適な旅を満喫できる装備はあらかじめ備えられています」とのこと。
展示車両は、150ps仕様のエンジンやサイドオーニング、DJEパッケージ(DC12Vの電源とAC100Vの動作電源を切り分けた電装システム)といった、さらに贅沢で快適なオプション装備まで含んでいると考えれば1000万円という価格はお得かもしれない。じつは、オプションを含まなければ車両価格698万円と、国産バンコンとは変わらないレベルなのだ。
「欧米におけるキャンピングカーの歴史は長く、ベース車の設計は大きく違います。また、ボディバリエーションの豊富さをはじめ、ドイツのサンライト社やデスレフ社といった架装メーカーの実力も高く、洗練されたインテリアや優れた耐寒性能などが魅力。右ハンドルも設定していますので、日本の道路事情にもあった使い方ができるのも人気の秘密です」と、担当者は話す。
ちなみに、購入するオーナーはアクティビティな個人事業主が多く、釣りやスキーといった趣味にキャンピングカーを利用するそうだ。最後に「8ナンバーなので、車検費用や維持費は普通車とそれほど変わりません。また、今回の展示車両の全幅×全長×全高は2050mm×5410mm×2650mmと輸入キャンピングカーのなかでは小さいクラス(トヨタ・ハイエースのスーパーロング・ワイドボディとほぼ同サイズ)。万が一のトラブルも全国的にカバーしているので、思ったよりも身近なキャンピングカーといえますよ」と意外にも身近な存在だ。
なお、今回の展示車は乗車定員4人/就寝定員3人というスペック。共同購入すれば、高級キャンピングカーも決して夢ではない?