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登場から27年!世界初の電動アシスト自転車「ヤマハPAS」が経済産業大臣賞を受賞!

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: ヤマハ発動機

社会貢献・社会課題改善に寄与した技術

 一般社団法人 科学技術と経済の会(JATES)が主催する「第8回 技術経営・イノベーション大賞」の受賞者が決定した。この表彰は、日本発の優れた新規事業を発掘しそのプロセスを他の技術者・経営者への範として紹介するもので、国内初の本格的なイノベーション表彰として2012年に創設されたもの。産学・産々連携等あらゆるイノベーション形態を対象として取り上げているが、今回100件を超える応募の中から、内閣総理大臣賞が「QRコード(デンソーウェーブ)」、経済産業大臣賞は事業名「電動アシスト自転車の発明と上市」と題してヤマハ発動機のPAS(パス)が受賞した。

「パスパスパスっとヤマ~ハ・パス」のCMソングが未だに頭の中を流れるあの初代モデルが登場したのは1993年11月1日のこと。ヤマハ・パスは世界初の電動アシスト自転車として「人々の利便性向上を通じた社会貢献」、「地球環境問題とエネルギー事情の改善」、「交通問題への改善」への寄与を目指し、誰もが快適に乗れる新しい乗り物として開発された。

 さらに、運転免許とヘルメットが必要な「第一種原動機付自転車」ではなく、公道で「普通の自転車」として走行できるための準備などで数々の苦労を乗り越えて登場できたという。

 それまで世の中に無かった新たなカテゴリーを築いた点、その後の機能進化、買い物や子育て、通勤・通学、レジャー利用などへ拡がりを見せた点、社会貢献や社会課題の改善に寄与した点が評価されたのが、今回の受賞の理由だ。

 初代モデルの誕生から四半世紀を過ぎ、現在、そのラインアップはスタンダードモデル5機種、子供乗せモデル7機種、ファッショナブルモデル3機種、シティモデル5機種、スポーティモデル2機種、かんたん操作モデル1機種(2020年販売予定モデル含む)を揃え、3輪モデルやビジネス専用モデルなどもラインナップに加わっている。さらに電動アシスト自転車のスポーツモデルであるYPJシリーズでも6機種を展開。多様化する電動アシスト自転車のニーズを取り込み、バリエーションを拡大している。 バッテリーも進化を繰り返している。初代モデルは鉛バッテリーを搭載していたが、1995年にはニッカドパッテリーへ。その後ニッケル水素、2004年以にはリチウムイオンバッテリーを採用している。パワーユニットも小型・軽量化し、制御系も大きく進化を果たしている。

 2月14日に登場するパスの最新型となるファッショナブルモデル「PAS RIN(パス リン)」は、暗くなるとヘッドライトを自動点灯するオートライト、ギアポジションに合わせてきめ細やかな制御を実現するアシスト制御機構「S.P.E.C.3」、なめらかで快適なアシスト走行を実現するトリプルセンサーシステムなどが特徴。アクティブな高校生の通学シーンをイメージしたモデルだ。ストレート基調のフレームや長距離通学でも楽に乗れることを意識した乗車ポジションの設計、大容量15.4Ahリチウムイオンバッテリーなどを採用する。

 初代モデルは、走行モードは1モード、走行距離は20km、車両重量は31㎏、充電時間は約10時間、価格は14万9000円であった。それに対して、新型モデルのRINは、走行モード3モード(強/標準/オートエコプラス)、走行距離は68km(標準モード)、車両重量は27.7㎏、充電時間は約4時間、価格は13万900円。

 このような初代モデル登場時からの途切れなき努力が、他メーカーの後続を促し、現在の電動アシスト自転車市場を作りあげたと言えるだろう。また、電動アシスト自転車の性能が高まることと同時に、乗る人の交通マナーとルールを守る意識も高めてほしいものだ。

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