ハンドリングにも影響するブッシュの劣化
続いては人間の身体でいう”関節”にあたる「ブッシュ」について。足まわりの構成部品や稼働部またはボディとの接合部で、ゴム製のブッシュが使われているケースがほとんど。ダンパーと同じく、路面から伝わる振動を吸収するパーツだが、ブッシュが劣化したことを知らせるサインもダンパーと同様で、揺れや異音やハンドルがフラつく、ブレーキングするとボディから振動が出るなどいくつかの症状が生まれる。ゴムが劣化して硬度が落ちたり亀裂が入ったりすると、ブッシュを介して繋がっているパーツの動きが大きくなるのが原因だ。
コチラも対策はダンパーと同じで新品に交換するしかないが、ブッシュは使われている数が多くピンポイントで原因を特定するのが難しい。切れていたり大きなヒビ割れを視認できれば別だが、そうでない場合は疑わしい箇所から順番に交換していくか、高額な費用を覚悟で全部まとめて新品にするしかないだろう。ボディからブッシュが入っているパーツを取り外し、プレスと呼ばれる機械を使って交換、再び取り付け部位によってはアライメント調整。工賃はパーツ代を軽く超えてトータル20万円オーバー、なんて例もザラにあるので悩みどころ。
愛着があり長く乗り続けるのであれば別として、車検の時期が近かったり他にも修理すべき部分があるなら、乗り換えという選択肢も視野に入れていいかもしれない。ただし、経験値のあるショップであれば、症状から交換が必要となっている部位を特定できるので、修理費用を抑えることもできる。