クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 日産「ゴーン体制で消えていった悲運のクルマたち」次なる一手の方向性は?
CLASSIC
share:

日産「ゴーン体制で消えていった悲運のクルマたち」次なる一手の方向性は?

投稿日:

TEXT: 永田恵一  PHOTO: Auto Messe Web編集部

リストラされた車にもいいモデルが多かった

 世界的にも報じられたカルロス・ゴーン容疑者の国外逃亡は賛否あるにせよ、日産としてはこれをひとつの区切りとして心機一転、自動車会社本来の仕事である「いいクルマ造り」に邁進したいところだろう。というタイミングなので、というのもいささか強引だが、日産の行く末に思いを馳せているファンたちの願いにも通じてくるかもしれないので、ゴーン体制後に日産からリストラされたモデルを改めて挙げ考えてみよう。

シルビア

「シルビア」は特に1988年登場の5代目モデルのS13(写真)以降、平成以降のミドルクラスのスポーツモデルでは数少ないFR車だった。そのこともあり、ドリフト、サーキットのタイムアタックなど幅広く使えるチューニングベース車として未だに人気が続いているクルマだ。

 当時の走り屋たちを熱狂させたシルビアは、マーケットの縮小もあり2002年に7代目モデルの”S15″を最後に絶版。当時を考えるとリストラも仕方なかったと思うが、その後2012年に登場したトヨタ86&スバルBRZの人気などを考えると、未だ復活がないのはじつに寂しい。若者のスポーツ走行の楽しみを支えてきた日産にとっては大きな問題ではないだろうか。

 

プリメーラ

「プリメーラ」は1990年に登場した初代モデル(写真)が、ヨーロッパ車的なミドルセダンとして日本でも人気となった。しかし2代目モデルは個性が薄れたと言われ、3代目は好みの分かれるスタイルだったものの、新鮮さがあったのも事実。この3代目は、肝心なデザインがアダとなり日本では支持されずそのまま世界的に絶版となったが、これはやむを得ない判断だったかもしれない。

 

ティーノ

「ティーノ」は前席三人掛けという特徴も持つ、二列シートのハイトワゴンとして1998年に登場した。決して悪いクルマではなかったが、当時の日産には乗用車に近いミニバンの「リバティ」もあり中途半端な感は否めず、初代限りでリストラされたのも納得できる。

 

セフィーロ&ローレル

 井上陽水のCM登場で人気もあった「セフィーロ」は1988年の初代登場時はFR車(写真)だったが、94年には実用性重視のFF車へとモデルチェンジ。一方、ハイオーナーカーという中型で高級なクルマのジャンルを築いていた「ローレル」は、トヨタの「マークII」に対抗するFR車という軌跡をたどってきた。

 しかし、ゴーン体制後は日産のディーラーが4チャンネル制から1本化されたこともあり、セフィーロとローレルの2車種は、セフィーロに近いキャラクターとなる新たな「ティアナ」を後継車として投入。残念ながらリストラされてしまった。このクラスにはV6エンジンとなったFRの「スカイライン」もあり、2台がティアナに統合されたのは正しい判断だったが、そのティアナまでも生産終了となってしまったのは考え物だ。

 

セドリック&グロリア

 日産自動車が1960年から「セドリック」を、日産と合併前のプリンス自動車工業が1959年から「グロリア」を作り始めていたように、長い伝統を持つクルマであったが、両車とも2004年に「フーガ」を後継車としてリストラされてしまった。

 フーガ自体の品質性能はともかく、フラッグシップの高級車だけに今になると車名を変えたことがマイナスに働いたように感じられもする。どちらかの車名を続けていれば、現在風前の灯火となっているフーガの運命も変わっていたようにも思うのだが。

 もし、フーガがフルモデルチェンジすることがあるなら、その時はセドリックかグロリアどちらかの車名を復活させたら、日産ファンからの支持を集められるかもしれない。

 

次の魅力あるモデルに期待大

 1999年に日産の最高執行責任者に就任したゴーン、ゴーン体制後にリストラされたクルマは多数あるが、日産の再建が一時的であれ果たされたことを考えれば正しいことだったのだろう。しかし特にここ数年、日産には将来や新型車に対する投資を削り過ぎた感が否めず、結果全体的にモデルが古くなり、魅力あるモデルが数少なくなってしまったように思う。

 また未だシルビアのようなクルマがないことをはじめ、日産ファンが現実的な価格で買えるモデルがノートくらいしかないのも大きな問題ではないだろうか。

 

 自動車メーカーにとってはもちろん利益も大事だが、ユーザーに夢を与えるのも使命であり、そのことが結果的にブランドイメージを高め利益につながることもある。それだけに新生日産には再び日本の自動車業界を面白くする存在となって欲しいところだ。

すべて表示

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS