新型はさらにアクティブな使い方ができる
新型ハスラーは、まさにアウトドア好きのユーザーにぴったりな「遊べる軽」と言っていい。先代に対して一段とタフネスを感じさせるSUVテイストに満ちたスタイリングや、7インチから9インチに拡大した3画面分割のメモリーナビゲーション。セミベンチタイプから、中央に便利なトレーを新設したセパレートタイプの前席は、分厚くて上質なかけ心地を実現。他にも下手なコンパクトカーをしのぐ、軽自動車最上級と思える乗り心地、新設計されたNAエンジン&CVTといったトピックもさることながら、アウトドアの対応性も高められた。ここでは、その理由を紹介したい。
35mmのホイールベース延長による空間拡大
新型ハスラーは先代に対してホイールベースを35mm延長。そのすべてを後席ニースペースにあてている。結果、室内長は先代の2160㎜から2215mmになり、後席スライド機構によって得られる最大荷室長による荷物の積載性は文句なし。
カップルでのアウトドア目的なドライブなら、かなり大きなアウトドア用品、キャンプ用品を積み込むことが可能。具体的には、ラゲッジの開口部地上高710mm、フロア幅900mm、後席使用時奥行き445mm、2名乗車時奥行き1140mmである。
また、前後席フルフラットアレンジによって、実測2040mmのベッド長を、車中泊には必須の純正アクセサリーであるリラックスクッション(25850円/2枚セット)によって実現。実際にリラックスクッションを敷いたスペースに寝てみたが、身長172cmの筆者であれば、のびのびと足を延ばして横になることができたのである。
なお、室内寸法よりも車中泊性能では重要なリラックスクッションを敷いたベッドスペースの寸法は、全長210mm、幅540mm×2=1080mm、厚み約20mmである。
では、具体的にどんなアイテムを積み込めるかと言えば、キャンプ用品であれば、テント、大人用寝袋×2、子供用寝袋×1、4人用テーブル&ベンチセット、26Lのクーラーボックス、2バーナーストーブ、ランタン2個。バーベキューアイテムなら、バーベキューグリル、炭3kg、着火剤、トング、調理器具、食材3人分、折り畳みチェア3脚、折り畳みテーブル、トートバッグなど、2人分ならば必要十二分といえるだろう。(あくまで一例)。
フラットアレンジを重視した前席シートバック
フロントシートに着座して、勢いよくカーブを曲がると、背中のサイドサポート不足が気になるのは事実。が、開発陣に聞いてみると、それはむしろ狙いで、前席を含めたフルフラットアレンジ性を優先したためだという。
実際にリラックスクッションを2枚敷いて、カップルが車内で横になると気付くのだが、先述のとおり前席はセミベンチシートからセパレートシートに変更。シート間にトレーが新設され、身の周りの小物入れ、ボトルホルダーとして利用できるため、寝転んだ状態での利便性が向上している。スモールキャンパーとして、かゆいところに手が届く、なかなかの使い勝手の良さを備えているというわけだ。
アウトドア&車中泊用アクセサリー、走破性も注目
すでに紹介したリラックスクッションのほか、カータープやバックドアネット、カーテン&タープキット、取り外して車外用のローテーブルとしても使える足付きラゲッジボード、フロント&リヤプライバシーシェード、そしてサイクルキャリアやロッドホルダーなど、アウトドア、車中泊にもってこいの純正アクセサリーが揃っているのも、ハスラーの大きな魅力と言っていい。
また、新型ハスラーは先代と違い、2WD、4WDを問わず、最低地上高を悪路走破性に適した180mmに統一。しかも、アウトドア派にお薦めの4WD車には、急な下り坂を、ブレーキペダルを踏まずに約7km/hの速度にコントロールしてくれるヒルディセントコントロール、滑りやすい路面でのスリップを防止してくれるグリップコントロールに加え、新たにスノーモードを新採用。悪路から雪道まで、より安心して走れるようになっているのだ。
汚れを気にせずタフに使えるラゲッジスペース
そして、ハスラーのアウトドア適合性の大きなポイントが、ラゲッジの使い勝手。ラゲッジ側からも簡単に後席をスライドさせ、奥行きを拡大できるストラップの新設定や、外して洗える樹脂製床下収納ボックス、フックやバーなど様々なアクセサリーを取り付けられる。
6か所のユーティリティナットの存在もさることながら、先代でも好評だった後席背面とラゲッジフロアが汚れや水に強い防汚れタイプの素材を継承している点にも注目である。さらに、ラゲッジアンダーボックスはついにガッチリとした脱着可能な樹脂製となり、スニーカーなどの小物を収納できて便利である。