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「スピード違反取締装置(オービス)」の大量撤去が進む! 老朽化&高コストで世代交代へ

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

オービスの取締件数はわずか3%

 ピーク時は全国で600カ所以上に設置されていた「速度違反自動取締装置」。いわゆるオービスだ。ここ数年各地で撤去が進み、平成28年年度末現在で、すでに345台 (高速道路192台、一般道路153台)しかない。なぜ、全国的にオービスは急速にその数を減らしているのだろうか?

 警察庁交通局交通企画課・交通指導課がまとめた“速度違反自動取締装置について”という資料を見ると、「速度違反自動取締装置の整備方針」として、『耐用年数、老朽化の程度を踏まえ、道路事情等から更新の必要性を個別に判断』と書かれている。

 日本でのオービス導入は、1970年代後半からはじまっているが、じつは上記の345台のオービスのうち、53%は耐用年数を超えている。しかも、上記の資料によると、速度違反自動取締装置による取締件数は3%しかないのだ。

 オービスは新規設置の費用も2000万円以上と高価で、維持管理費のコストも高い。交通事故(死亡・重傷事故)の件数も、平成18年の6万7313件から平成28年の3万9170件と2万8143件も減少している。取り締まり件数が少なく、コスト高のオービスを積極的に新設する材料は乏しい。一方で老朽化したオービスの撤去が進んでいるので、全国で目に見えてオービスの数が減っているというわけだ。

 警察庁でも「速度違反自動取締装置についての今後の課題」に“コストダウン”を明記しており、オービスの代表機種=Hシステムを製造していた「三菱電機」が同事業から撤退した影響もある。

 一方で、「新たな速度違反自動取締装置の導入について」という項で『取締りスペースの確保が困難な生活道路や深夜など警察官の配置が困難な時間帯における取締りが行えるような機器の導入が必要(交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言 ※平成25年12月26日)』とも明記されており、これまでの固定式オービスに変わり、「移動式オービス」が増えるような気配がある。

 しかしながら、新しいオービスは持ち運びが容易な可搬式でも1000~2000万円。半可搬式ともなれば約2000万円。さらにLEDとアラームによる警報機能付きの新しい”固定式”は約3000万円(工事費除く)と高額。新旧入れ替えとなっても、当面は新規のオービスより撤去されるオービスの数の方が多いはず。

 ただし、稼働していない旧式のオービスでも、設置しておくだけで実勢速度を低下させる心理的な速度抑止効果はある。不稼働のオービスも一部は撤去されず残すケースは、今後しばらくあるだろう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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