荷物の積載や車内アレンジもミニバンに軍配
では、ラゲッジルームの使い勝手はどうだろう。SUVに対してミニバンは室内高に余裕があるため、観葉植物などの背の高い荷物を積むのにも有利。
また、SUVは最低地上高をかせぐため、ラゲッジフロアの高さは地上700mm前後となる。一方、ミニバンは車種にもよるが、ほとんどが低床で500mm前後。重い荷物の出し入れや、愛犬の乗降性では圧倒的に有利と言える。ほとんどのミニバンのラゲッジ開口部には段差がなく、荷物の出し入れはもちろん、室内高の余裕を生かし、自転車などを積み込む際も楽々というわけだ。
シートアレンジの自在度でも、ミニバンはSUVを圧倒。何しろミニバンの多くは1-3列目席フラットアレンジが可能で、車内を広々としたリビングルームに仕立てることができる。3列シートのSUVだと、さすがにそうしたシートアレンジの自由度は劣る。そもそも室内高がボックス型ミニバンほどないため、天井方向の余裕がないわけだ。
もし、SUVとミニバンの選択で迷っていて、3列目席の使用機会が多く、大きく背の高い荷物を積み込む予定があるなら、迷わずMクラス以上のミニバンを勧めたい。そうでなくても、最大5名乗車、2列目席までの使用でも、アウトドア用品など大きな荷物を積むのであれば、ミニバンが使いやすい。
分かりやすく言えば、アウトドア派、特にオートキャンプを楽しむようなユーザーには、例えば、三菱アウトランダーよりデリカD:5が、実際に重宝されているということ。ミニバンにSUVの走破性を求めるなら、その両方のメリットを持ち合わせるデリカD:5は最強だろう。
一方、ミニバンの魅力を知った上で、どうしても3列シートのSUVを望むなら3列目席に大人が座ってもそれほど窮屈じゃないマツダCX-8が、国産SUVでは最善の選択。もっとも、乗降性では両側スライドドアのミニバンに敵うはずもないのだが。