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高級車のボディカラーに続々と採用! 「マットカラー(つや消し)」のメリット&デメリット

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: TOYOTA、AUDI、Auto Messe Web編集部

特別感はお手入れだけじゃない

 続いてデメリットについて。よく耳にするのは「メンテナンスが面倒」ということ。表面に細かい凹凸があるので、通常の塗装に比べて汚れやホコリが付着しやすい。こう聞くと「汚れたら洗えばいいじゃないか」と思うかもしれないが、洗車も一般の塗装に比べると面倒だったりする。例えば、洗車機を使うとブラシが塗膜の凹凸をわずかながらも削り、わざわざ消したはずのツヤが少しずつ復活していく。汚れを付きにくくするワックスも同じで、凸凹しているがゆえにムラが出やすく、拭き取る時も洗車機と同じように部分的なツヤが出てしまう恐れがある。

 つまり、マットカラーのクルマは手洗いしかできず、しかも汚れが固着しないよう頻繁に洗車しなければならない。最近では、つや消しボディ専用のシャンプーやコーティング剤が販売されているものの、自分で洗車をするのは大変だし毎回プロに頼むのも予算がかかる。一般的な価格帯のクルマに採用されないのは、汚れがつきやすく、特別なメンテナンスも必要というのが理由だろう。また、鈑金塗装も通常色より手間がかかり、費用も高額になることも忘れてはいけない。

 とはいえ、人とは違うドレスアップの手法として、マットカラーを求める人も少なくないはず。そんな場合は塗装じゃなく「ラッピング」という手段がある。ツヤ消しカラーのカッティングシートをボディ全体に貼り付け、飽きたり売却するときは剥がすだけで元どおり。プロが自動車専用のカッティングシートを使えば、素人がパッと見て塗装との違いが分からないほどのクオリティだし、前述したようなメンテナンスの煩雑さとも無縁。ボディの保護にもなるため、マットクリアのシートを新車にラッピングする人もいる。

 マットカラーが純正で採用されるようになってから日は浅く、ツヤ消しを維持しつつ汚れが付きにくいコーティングなど、新しい技術や商品が少しずつ市場に出まわってきた。今後はより手軽にマットカラーを楽しめる時代が来るかもしれない。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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