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『MUGEN S660 Concept』に見る無限のこだわり 後期型用にパーツを新たに設計! 【大阪オートメッセ2020】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

ボディ系パーツを中心に新規で開発

 今年1月にマイナーチェンジを受けたばかりのホンダS660。ホンダのレース活動を支える無限は、早くも開発をスタートし、内外装からサスペンションまで死角ナシのコンセプトカーを作り上げ大阪オートメッセ2020(大阪市インテックス大阪)の会場でお披露目した。ちなみい新たに設計されたパーツは、今夏のリリースを目指し開発を続けているという。

 前期モデルのS660にも魅力的なパーツを多数ラインナップし、ファンから高い評価を受けている無限。今年の1月にマイナーチェンジで生まれ変わった後期型でも、エクステリア、インテリア、サスペンションなどを中心に、同社のノウハウを詰め込んだオリジナルパーツを開発中だ。

速さにこだわる空力パーツ

 大阪オートメッセ2020では、その集大成ともいうべきコンセプトモデル『MUGEN S660 Concept』を展示。一部は前期モデルと共用のパーツがあるものの、大部分が後期モデル専用として新たに設計していることから、無限のS660に対する本気度が強烈に伝わってくる。

 まずはカーボンを多用した外装パーツから見ていこう。自動車メーカー直系だけにこだわったのは見栄えだけではなく、空気抵抗を軽減し冷却効果も得られるようにした設計だ。

 フロントまわりのバンパー、グリル、ボンネットはラジエーターに効率よく風を送り、かつ熱を帯びた空気を溜め込まず後方へ排出する。またボディ横に流れた空気はサイドスポイラーで整えられつつ、できる限り抵抗を減らしリヤへと流している。

S660後期モデル用パーツに施された熱対策

 そしてS660の泣きどころといえば、エンジンをリヤに搭載するがゆえの熱問題。実質的な先代モデルであるビートでも熱によるパワーダウンが指摘されており、ターボによる高出力エンジンのS660ではよりシビアな状況だといえる。

 そこで注目されるのが、前述したフロントのエアロに加え、エンジンルームの熱を逃がすように、中央および両サイドにダクトを設けたエンジンフードの工夫がなされている点だ。

 リヤまわりでは大型だが後方の視界を妨げないウイング、レーシーなディフューザー形状を採用したバンパーも見どころ。その中央から顔を出すチタン性のサイレンサーは、独特なトライアングル形状で後続車へのアピール度も満点だ。

 フットワーク系は車高調整式サスペンション、フロント15インチ、リヤ16インチの鍛造ホイール、発売中のブレーキパッドとローターを組み合わせ、曲がる&止まるも抜かりなく強化している。

 さらにタイヤのサイドウォールに貼られた無限のロゴ、白/赤/金のイメージカラーはステッカーで、手軽なドレスアップとしてS660以外でも人気を博しそうだ。

 室内ではバケットシート、ステアリング、フロアマットが新開発で、すべてを市販するかは決まっていないそうだが、S660オーナーなら自らの愛車で味わってみたいアイテムばかりだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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