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若き学生が「カローラレビン(ハチロク)」をカスタマイズカーショーに出展! あえて改造せずに挑戦した理由とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 清水良太郎

野ざらしだったボロ車を6人の生徒で完全復活

 近年、「大阪オートメッセ」のようなカスタムカーショーに、自動車整備士などを要請する自動車学校の学生が、ド派手にドレスアップした“作品”を出展するケースが増加している。そうしたなか、今年の大阪オートメッセでは「トヨタ神戸自動車大学校」がフルレストアしたカローラレビン(AE86)を展示。なぜ彼らは、30年以上前の、しかもフルノーマルという「ハチロク」を披露したのか聞いてみた。

「このハチロクですが、じつは20年ぐらい前から学校の屋上で野ざらしになっていたクルマです。これまでも、先輩方がレストアしようという話をしていたそうですが、ずっとそのままになっていました。今回、『車体整備専攻科』で、このAE86を蘇らせようと話し合い、10カ月かけて仕上げました」

 車体整備専攻科は、板金塗装を専門に学ぶために去年の4月に立ち上げられたばかりの学科。1期生の6名が力をあわせてレストアしたという。

「大阪オートメッセはカスタムカーの祭典なので、カスタムされたハチロクは珍しくないですよね。ならば、かつてオーナーだった方々や当時を知るに懐かしんでもらって親しみを持ってほしい。そんな思いで、あえてフルノーマルの状態で披露しようとなりました」

 ハタチ前後の学生たちにとって、ハチロクは生まれる前に生産されたクルマ。とはいえ、漫画やアニメの影響もあり、若者の世代でも人気がある。「やっとAE86に触れられる!」と、かなり前向きに取り組めたそうだ。しかしながら昭和のクルマ。20年も放置された車体はサビサビであり、レストアはまさに錆との戦いだった。

 まずはエンジンがかかる状態まで整備し、それからボディを含めてバラせられる全部品を分解。特に錆の酷いクオーターパネルは、スポット溶接を剥がし、錆びた部分を切断して鉄板で整形修復した。ハッチゲートのスポイラー部分も鉄板を貼り直してパテ盛り。ネジ1本まで塗装したり錆を落としたり、かなり丁寧な仕事が施されている。

 内装はダッシュパネルなど純正部品が手に入らないところが多く、割れた部分はパテで直して、塗装もザラザラな当時の質感を再現。会場に立ち寄ったレーシングドライバーの土屋圭市氏や谷口信輝選手も感心したほど、新車レベルに復活を遂げた。

 ちなみに今回のレストアでかかった費用は約50万円(工賃無料)。設備も自由に使えたとはいえ、「トヨタ」の学校に恥じない仕事ぶりに脱帽モノだった。美しく蘇った出展車両の詳細は、下の画像ギャラリーでじっくり見て欲しい。

 なお、次年度は車体整備専攻科の2期生たちが、初代クラウンのレストアに挑むそうだ。来年の大阪オートメッセでは、その美しく蘇ったクラウンを見ることができるかもしれない。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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