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「日産京都自動車大学校」の学生が造ったコンパクトSUVに仰天!! 『Vision Juke』が親父世代のハートを撃ち抜く

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

グランツーリスモ登場マシンをイメージ

 インテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2020」では、学生が製作した車両の数々も多くの注目を集めた。「日産京都自動車大学校」の若者たちが作り上げたカスタムカーも然り。テーマは、自分たちの父親やそれ以上の世代の魂をくすぐる”どんな方向から見てもカッコいい”1台。ガルウイング仕様の日産ジュークだ。

 過去には、B10サニーやK13マーチをベースとしたカスタムカーを製作し、その高いクオリティが評価された日産京都自動車大学校。今回の大阪オートメッセでギャラリーの目を楽しませたのは、2015年の上海モーターショーで日産が発表、「グランツーリスモ」とコラボした「コンセプト ビジョン・グランツーリスモ」のイメージを落とし込んだ、その名も『Vision Juke(ビジョン・ジューク)』だ。

 ターゲットは往年のスーパーカーブームを体験し、子育てなどがひと段落した40~50代の男性。4ドアを持つコンパクトSUVながらも、タダ者じゃない雰囲気を感じさせる室内外の作り込みは注目で、普段は自分の趣味としてツーリングやイベントを楽しみ、いざというときには家族を乗せての快適ドライブもこなす。

 もっとも親父世代のトレンドを取り入れるだけじゃなく、若者のセンスや最新のカスタム技法を使い、世代間の融合を目指したのも特筆すべきポイント。真っ先に目を引くのはスーパーカー世代を狙い撃ちするガルウイング、スカイライン純正を流用したヘッドライト、そして押し出しの効いたフロントマスクはワンオフにあらず。量産可能なエアロパーツと同じく、”型”と呼ばれるマスターから作り上げた。

 リアも同様でウイングこそ間に合わず「インパル」の社外品を使うものの、ベース車であるジュークさえ用意できればまったく同じ仕様を製作できるわけだ。 ボディカラーは、大人が乗れるようポップすぎない色を目指して調色。シックでありながら明るさと深みを兼ね備えた、大人のドレスアップに相応しい色ではないだろうか。

 

わずか半年で製作した唯一無二の1台

 続いてインテリアに目を移してみよう。R35GT-R限定車のさらにオプション設定であるシートとステアリングを装着し、メーターまわりやドアの内張りも同じ黒と白のカラーでコーディネイト。大人が乗っても違和感のない、オシャレな仕立てで高級感をアップさせた。

 足回りは「エアフォースジャパン」のエアサスをセットしてローダウンしているが、車検の取得もプロジェクトに含まれているためアーム類は純正をキープ。製作に携わった学生は9人で、わずか半年で仕上げたというから驚きである。 製作には複数のセクションに分かれて作業したので、ローダウンしたらフロントとサイドのボトムラインが違うといったことがあり、意思疎通や相互チェックの大切さを学習できたとか。アドバイザーである山瀬匡隆先生によると、作業はすべて学生が行なっており手助けしたのは時間の管理だけ。

「どんな職種だろうと社会に出れば納期を守るのが当たり前です。いいモノを作りたいから遅れたという言い訳をせず、限られた時間のなかでいいモノを作る、という心構えを持って欲しかった」と話す。 車両が初披露されたのは東京オートサロン2020だったが、そこから車検取得に向けて若干ながら仕様変更されている。学生たちの夢を載せ、公道を疾走する日が待ち遠しい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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