サバイバルレースと化した開幕戦
アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」の「Xfinity SERIES(エクスフィニティ・シリーズ)」にトヨタGRスープラでスポットで参戦をしているのが、服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」だ。HREは、2月15日に行われたエクスフィニティ・シリーズ開幕戦「NASCAR RACING EXPERIENCE 300」に参戦したが、残念ながらクラッシュに巻き込まれリタイアとなってしまった。
「NASCAR RACING EXPERIENCE 300」が行われた、アメリカ・フロリダ州にあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイは、昨年7月にHREがスープラで同シリーズ初挑戦をした思い出のサーキットである。昨年は予選中のマシントラブルで、残念ながら決勝レースを走ることができなかった。
HREは「GANDER RV & OUTDOORS TRUCK SERIES(トラック・シリーズ)」にトヨタ・タンドラでフル参戦している。そのためチームはもちろん、ヒル選手も2月14日に同じデイトナで開催されたトラック・シリーズ開幕戦に参戦し、15日にエクスフィニティ・シリーズをGRスープラで走るという非常に忙しい週末となった。
トラック・シリーズ決勝日に始まったエクスフィニティ・シリーズの練習走行セッションでは、他のチームが大きな集団の中でのハンドリングを確認するため、積極的にライバル車に追従してドラフティング(スリップストリーム)を使っている中、HREは予選を見据えての単独走行で、まずマシンの状態を確認。ハンドリングが好感触ということで、2回目のフリー走行をパスし、ヒル選手はトラック・シリーズ決勝に集中することになった。
そして迎えた「NASCAR RACING EXPERIENCE 300」決勝。1周2.5マイルのデイトナのトライオーバルを第1ステージ30周、第2ステージ30周、最終ステージ60周の合計120周(300マイル、約482.8km)で行われた。
36周目に始まった第2ステージだったが、39周目に前方を走っていた1号車が接触してバンクのイン側に降り、その後スピンして再びコースを横切るようにアウト側に上がってくる。ヒル選手は1号車を避けたのだが、イン側後方からやってきた08号車に接触しスピンしクラッシュ。フロント部に大きなダメージを負ってしまい、その場でマシンを降りる事となってしまった。