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ド派手な車両カスタムが流行の兆し? “金ピカ”ホイールをショーに出展するメーカーの思惑

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭、清水良太郎

記念すべき年をアフターパーツの世界観で表現

 関西最大級のカスタマイズカーショー「大阪オートメッセ2020」では、今年も各メーカーから多種多様なホイールが展示されたが、”金色”のモデルが多いと感じた人はいないだろうか。目立つことを嫌う日本人にとって、クルマのカスタムに派手なゴールドを取り入れることは抵抗感が大きいはず。そこで、2つの出展メーカーに、あえて金色のホイールを披露した思惑を聞いてみた。

 まず、ブースの真正面に展示された『エクイップE05』から紹介する。手掛けたホイールメーカー「ワーク」によると、ディスクに施された深みのある上品なゴールドは塗装によるものではなく、なんとホンモノの24金メッキ加工。20インチの大径サイズということもあり、買える買えないかは別として値段が気になるところだ。

 聞いてみたところ「公言するのもためらうほど」で、とてもじゃないけど現実的な金額ではないそうだ。もちろん予算に糸目を付けなければ製作は可能だが、表面強度の問題から市販は難しいとのこと。指紋が付着してもクロスで拭くことすら躊躇するほどの逸品は、大阪オートメッセの会場でも手の届きにくい高い位置にディスプレイ。

 では、なぜ市販の可能性がないホイールを、わざわざ高い費用をかけて作ったのだろうか?

「せっかくなので、なにか”記念”になることをやりたいなと。それと人や企業がホンキで遊び心を出すと、こんなモノまで製作できるというジョークな意味合いもあります」と、じつにウィットに富んだ回答。この”記念”というのは、まさに東京オリンピック・パラリンピックのことで、展示モデルの下には『WORK hard, get Gold at Tokyo 2020!!』のメッセージが添えられていた。

 

塗装とアルマイトを駆使した全身ゴールド仕様

 続いて「ウェッズ」のブースで見つけたのは、『クレンツェ・シンティル』という新作ホイールをベースとしたゴールド仕様。こちらも「東京オリンピック・パラリンピック」の開催を記念し、日本の金メダル獲得を願って製作されたもの。今回の大阪オートメッセが初披露の場となった。

 特徴は同社初となる、ゴールドアルマイト加工されたリムと、鮮やかなゴールドでペイントされたディスク面との絶妙コンビカラー。ディスクの天面はポリッシュ加工を施してデザイン性を主張しつつ、リムとディスクを結合するためのボルトは、オプションのゴールドピアスを使って統一感を図った。

 これにあわせてセンターキャップも特注。ディスクのペイントとリムのアルマイトを合わせるのが非常に難しいとのことだが、来場したギャラリーからは「市販してほしい」との声も多く聞かれたそうだ。ただし、こちらも残念ながら参考出品とのこと。

「ゴールドのアルマイト加工は色褪せしやすい性質があります。もちろん技術的には可能なのですが、大前提として保証をお付けすることはできないため、市販化は非現実的になりますね」。

 オリンピック・パラリンピックとクルマのカスタマイズショーとは縁のないイベントに思えるが、他にもオリンピックの金メダルを意識した、数多くのホイールが出展されていた。今回の2モデルはプロトタイプのために購入できる可能性は少ないが、こんな遊び心たっぷりのホイールを、手間と予算をかけて作る両メーカーの心意気に拍手を贈りたい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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