価値あるドレスアップを身近なものに
2020年1月吉日、アフターホイール界に衝撃が起きた。幕張メッセで開催された東京オートサロン2020にて、ウェッズの新ブランド「ノヴァリス(NOVARIS)」がアンベールされたのである。しかも、イッ気に6モデルを投入するという気合の入れようだが、聞けばエントリーモデルという位置付け。「初心者が履くような、どこにでもある無難な新ブランドか」と思った筆者だったが、じっくりと商品を知っていくなかで、その発想は見事に覆されたのである。
ウェッズには「レオニス(LEONIS)」という、人気も知名度も高い1ピース構造のホイールブランドを有する。2020年モデルとして発表された最新の「レオニスGX(下写真)」はスポークに翼断面形状を持たせ、さらに大胆なエアインテークホールを与えた躍動感に満ち溢れるデザインを採用。特殊なベースカラーとミラーカットとのコンビや、マシニング加工と電着塗装の組み合わせなど、設定色までも手間隙をかけた革新技術が投入されている。いわば、レオニスは目の肥えたカスタマイズユーザーを納得させる上級ホイールとして確立しているのだ。
なぜ、あえてレオニスと同じ1ピース構造となる新ブランドを立ち上げたのだろうか。開発担当者の外岡氏に聞いてみた。
「レオニスは、デザインやカラーリングに特殊技術を用いて進化を遂げてきた1ピース構造のドレスアップ系ホイールブランド。開発コストを考えても価格はリーズナブルに設定しておりますが、若者やカスタマイズのビギナー、ファミリー層にとっては必ずしも身近な存在とは言えないかもしれません。ウェッズの高い品質やレオニスの息吹を感じさせるようなホイールを、もっと多くの人に感じてもらいたい。ノヴァリスの存在意義は、そこにあると考えてます」。
すなわち、ノヴァリスはよりシンプルに落とし込んだブランド。”憧れだったウェッズのホイールを誰でも手軽に履けるように”、と誕生した待望のラインアップというわけだ。そんなノヴァリスには、”光”を表す「BEONDE(ビヨンド)」と”影”の「ROHGUE(ローグ)」という、カラーによってイメージコンセプトが異なる2つのサブネームを持つのも特筆すべきポイントだ。
「BEONDE」はメタル感の強いガンメタリックをベースに、天面を切削した上品でエレガントな風合い。一方の「ROHGUE」はツヤ感の高いピアノブラックに、鮮やかな赤の電着塗装をアレンジしたワイルドな仕立てとなり、エントリー向けとは思えないほど凝ったカラーを用意した。しかも、それぞれに異なる3デザインを用意。全6モデルが一挙にデビューとなったのだ。
さて、気になるの設定サイズ。BEONDEはトヨタ・カムリやレクサスUX、トヨタ・アルファード&ヴェルファイアといった中型〜大型のセダン、SUV、ミニバンまでをカバーする18〜20インチ。
欧州風の美しいデザイン。そして、巷に数多いブラック/ポリッシュとは一線を画する高級感に富んだ「グロスガンメタリック/ポリッシュ」と、自動車メーカーが純正でも採用する”赤”を差し色として取り入れた「ピアノブラック/レッドライン」という差別化した設定色も然り。いまの最旬を盛り込んだにも関わらず、予想以上の低価格に抑えられたことは、我々にとって非常に頼もしい存在といえるだろう。
最後に筆者が推しとする理由はもうひとつ。近年のクルマに採用される「衝突被害軽減ブレーキ」といった安全装備の問題だ。というのも、タイヤの外径が変わることで正常に作動しないケースもあり、いまや簡単にインチアップできない時代へとなっている。
その点、ノヴァリスのサイズは、インチ以外にもリム幅やインセットといった細かいスペックまで純正ライクだということ。例えば「純正タイヤ」を流用したドレスアップが可能なわけで、安全装備の誤作動を気にせずホイール交換の醍醐味を味わうことができる。
「インチアップしないなんてツマらない」なんていう発想は、まもなく過去のものになると筆者は感じている。デザインやカラーが”大きさ”以上の魅力でカバーする。他のホイールとは違った、そんな魅力を持っているのもノヴァリスならではと言えるだろう。
ノヴァリス・ローグ(ROHGUE)
◎サイズ:15インチ(4.5J)、16インチ(5.0J〜6.5J)、17インチ(6.5J〜7.0J)、18インチ(7.0J〜8.0J)
◎カラー:ピアノブラック/レッドライン
◎価格(税抜):¥28,000〜¥43,500ノヴァリス・ビヨンド(BEONDE)
◎サイズ:18インチ(7.0J〜8.0J)、19インチ(8.0J〜9.0J)、20インチ(8.5J)
◎カラー:グロスガンメタ/ポリッシュ
◎価格(税抜):¥43,500〜¥60,000
ウェッズ・ノヴァリス公式ホームページ
https://www.weds.co.jp/novaris/