ハンドルやペダルから伝わる振動の原因
長かった冬もまもなく終わろうとしています。スタッドレスから夏タイヤに履き替えて暖かくなってきたシーズンは、やっぱり遠出ドライブをしてみたいもの。じつは、春先に感じられるクルマのトラブルとして多いのが「振動」なんです。今回、そんな振動の発生状況と原因についてお話ししたいと思います。
ホイールバランスの狂いによって発生
ひとつ目は、冬場はチェーンやスタッドレスタイヤを装着していたので気づかなかった振動トラブルを、静かな夏タイヤに交換したことで発見するというケース。ひと冬を越して、雪も溶けて乾いた状態になった道路を走行中、これまで感じなかったような振動がカラダに伝わってきたらクルマのトラブルを疑ってみてください。
この際、”体感できるかどうか?”が見極めのポイントで、ハンドルやアクセル、ブレーキ、シフトなどの操作で感じるもの、またはボディ全体を伝わって感じられるものがあります。最もわかりやすいのは「ハンドル系」。握っている手に振動を感じたらタイヤやホイールをチェック。走り出して一定速度に達した時にのみハンドルから振動やブレが伝わるようならば、ホイールバランスが狂っている可能性があります。タイヤとホイールの重心バランスを正す「ウエイト」が取れてしまっていたり、保管状態によってはタイヤに歪みが発生している可能性があります。
また、高速道路を一定速度で走行中にボディ全体が揺れたりするようならば、タイヤの取り付け角度、タイヤの偏摩耗などが考えられます。これは「アライメント」の異常が原因かもしれません。ホイールバランスの異常も含めてタイヤ専門店でチェックしてもらってください。もちろん、タイヤのウェイトバランスの異常が起因する振動には、フロアを通じてくるケースもあります。
足まわりなど各部の傷みが原因の場合も
さらに、凹凸などの段差を乗り越えた時にハンドルが大きくふらついたり、路地を曲がった時やUターンした際に、ハンドルを大きくきって「コツン」という手応えがあったら要注意。ハンドルを動かすギアやベアリング破損の恐れがあるかもしれません。
振動はハンドル以外にも「ペダル」から伝わってくるケースもあります。例えば、アクセルを踏み込んだ時に振動が発生するならば、エンジンやトランスミッションが原因の可能性も。ブレーキを踏み込んだ時に普段と違う手応えや振動を感じたなら、ブレーキパッド&ローターに異常の疑いが考えられます。どちらも致命的なことにならないうちに、整備工場での早期点検をオススメします。
他にも走行中のシフトチェンジで、ATの変速ショックを大きくなっている場合はATフルードの劣化が考えられます。こちらも手遅れにならないよう5万キロおきに交換しましょう。他にもシフトショックが大きくなる原因としてエンジンマウントの劣化も考えられますので、行楽シーズン前は、安全のために今一度クルマの状態をチェックしてみましょう。