義務という認識よりも安全性重視で
乗用車ではドライバーはもとより、助手席や後部座席もシートベルトを装着するのは義務。意味は言うまでもなく、乗員の生命を守るためです。国は”国民の命”を守らなくてはなりませんので、交通事故による生命の危機を減らすために義務化したといえます。
シートベルトの役割といえば、衝突時などに身体の安全性を確保すること。シートベルト非装着で前面衝突した際、ダッシュボードに身体がたたきつけられたり、フロントウインドウを突き破って車外放出となる可能性があります。後席においても前席にたたきつけられ大きな衝撃を受けるとともに、衝突速度によっては前席乗員を押しつぶすこともあります。
さらに横転事故などで乗員の車外放出を抑制する効果を持つシートベルト。最近はエアバッグを装備するクルマがほとんどですが、あくまでもシートベルトの補助装置として機能するもの。シートベルトをしない状態でエアバッグが作動するとかえって危険度が増すことがあるのです。
シートベルトを着用せずに乗車できる乗りものとは?
このように乗員の安全性を確保するために必須の安全装置ですが、シートベルトをせずに乗車していい車両があります。たとえば、高速路線バスや観光バスにはシートベルトが設けられていますが、路線バスには装備されていません。
一般的な路線バスは高速道路を走行しないために速度域が低く、衝突事故や横転事故、スピンなどの可能性が低いからだといえます。また、幼児用の送迎用スクールバスもシートベルト装着が義務となっていません。こちらも事故率が低いことに加えて、自身での脱着が難しいことなどが要因となっています。