実は多いシートベルト装着の免除
こうした乗り合いバスのほかにも、ケガや妊娠、身長や肥満などの身体的な理由で、物理的にシートベルト装着が不可能なときも免除。さらに消防自動車や、警察官などが職務のために運転するパトカーもシートベルト装着を免除としています。
消防士や警察官が免除されるのは緊急事態に間に合うようにというのが理由でしょう。また、郵便配達人や宅配業者、ゴミ収集車などがひんぱんに乗降を繰り返す必要がある場合も装着が免除されます。
そのほか、要人警護などで警察用自動車に護衛や誘導されるクルマの乗員、公職選挙法の適用を受ける選挙カーの乗員(候補者や選挙要員)などもシートベルトの装着義務はありません。前者はパレードなどの参加者や皇族の移動時、来日した外国要人などがおもな対象でしょう。後者は不思議なもので、選挙カーはクルマから乗り出したりすることも問題にはなりません。
こうした例は、シートベルトをするという安全行為を犠牲にしてまで職務に就かないといけないということ。なかには羨ましいと感じる人がいるかも知れませんが、私はシートベルトができる人のほうがずっと幸せだと思います。業務のために危険を冒さなくてならないのは、決して幸せではありませんから。