装備によっては逆転もある
福祉車両は消費税が非課税という措置が取られています。これは福祉車両そのものが非課税の対象になるので、身体障害者手帳や療育手帳(愛の手帳)の有無などは関係ありません。しかし、福祉車両はさまざまな装備が付いているのでベース車に比べ高価なイメージですが、消費税が非課税となればその差は埋まるのか検証してみましょう。
福祉車両にはさまざまなタイプがありますが、2つのタイプが消費税非課税となります。ひとつは障がい者本人が運転する自操式のもので「身体の状態に応じて、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段が講じられている自動車」となっています。
もうひとつは「車いす及び電動車いす(以下・車いす等)を使用する者を車いす等とともに搬送できるよう、車いす等昇降装置を装備し、かつ、車いす等の固定等に必要な手段を施した自動車(乗車定員11人以上の普通自動車については、車椅子等を使用する者を専ら搬送するものに限ります)」です。
この「車いす等昇降装置を装備し、かつ、車いす等の固定等に必要な手段を施した」という部分が重要で、もっとも装備が簡素なものだと助手席が回転したうえで、車いすを収納するためのリフトと固定装置が付いているものがそれにあたります。そうした簡素なモデルの場合は、ベース車との価格差が僅差となっている場合があります。
消費税は10%なので、ベース車が200万円の場合消費税込みの価格は220万円です。このベース車の福祉車両が220万円なら、購入時の価格は同じになります。これが219万円なら福祉車両のほうが安く、221万円なら福祉車両のほうが高いということになります。
一般的にクルマを買うときはさまざまなオプションを装着しますが、福祉車両にオプションを装着した場合はその総額が非課税になります。それが福祉車両としての性能に関係するかどうかは問われません。つまり高級なアルミホイールでも、オーディオシステムでも、ナビでも非課税です。
しかし、こうした形で福祉車両を購入すれば多少は得する可能性はあるでしょう。しかし、基本的は福祉車両とベース車の価格は、イーブン程度だと考えたほうがいいでしょう。値引き額を考えても、福祉車両はさほど期待ができませんし、登録が持ち込みとなる場合は登録費用も一般登録よりは高くなります。
ただ、福祉車両だからといってクルマはそんなに高くなるわけではないということを知っておいてください。十分な装備が付属するものの、同グレードとほぼ同額で購入することができるのです。福祉車両に購入について、躊躇している人は一度見積もりを取ってみるといいかもしれません。