当初は後輪駆動のみで4WDを追加予定
フォルクスワーゲン(以下VW)は3月3日、ジュネーブショーで世界初披露を予定していた電動コンパクトSUV「ID.4(アイディ・フォー)」のプロトタイプをウェブキャスト(オンラインストリーミング)で公開した。
VWにとって、ビートルとゴルフに続くエポックメイキングなクルマは、ピュアEV(電気自動車)の「ID.3(アイディ・スリー)」だ。すでに昨年のフランクフルトショーで発売記念モデル「ID.3 1st」を披露し、まもなくデリバリーも開始される。「ID.3 1st」はゴルフと同様にCセグメントに分類され、サイズは全長4261×全幅1809×全高1552mm、ホイールベースは2765mm。航続距離は最大420km(WLTP モード)とアナウンスされている。
さらにVWは「ID.3」のSUVバージョンとなる「ID.CROZZ(アイディ・クロス)」も2017年の上海ショーで公開。今回はさらに市販車に近い状態の「ID.4」が公開されたことになる。ボディサイズこそ公表されていないが、「ID.CROZZ」は全長4625×全幅1891×全高1609mmで、ホイールベースは2773mm。すなわち同社の5シーターのティグアンと7シーターのティグアン・オールスペースの中間の大きさで、「ID.4」もそれに近いディメンションだと予想される。
「ID.4」も「ID.3」と同様に、VWの次世代を担う「MEB(モジュラー・エレクトリック・ツールキット)プラットフォーム」をベースに開発。デザイン面では非常に優れたエアロダイナミクスが特徴で、航続距離の大幅な延長に寄与している。当初は後輪駆動モデルとして発売されるが、電動4WDバージョンも追加予定だという。
メカニズムに関しては、高電圧バッテリーをアンダーボディ中心近くに搭載することにより、低重心化とバランスの取れた軸荷重配分を実現し、ドライビングダイナミクスを最適化。他のMEBモデルと同様に、「ID.4」はコンパクトな電気駆動テクノロジーを採用し、広々とした室内スペースを実現しているという。
また、このゼロエミッションSUVのフルデジタルコクピットは、非常にわかりやすい構成。操作は主にタッチスクリーンとインテリジェントで直感的なボイスコントロールによって行なう。なお、最大航続距離は500kmに到達するという。
ID.4は、本年中にヨーロッパと中国、米国での発売を予定。日本への導入はID.3に関しても2022年と言われており、しばらく先になる見通しだ。