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過去最多となった運転免許証の自主返納、「運転経歴証明書」で得られるメリットとは

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: Auto Messe Web、警察庁

運転できないデメリットをサポートする必要性

 警察庁によると75歳以上の運転免許保有者は2019年12月時点で、約583万人。2019年11月には、高齢ドライバーや、その家族向けの相談ダイヤル「#8080(はればれ)」を開設し、「運転に不安を感じたら、まずは相談してほしい」と呼びかけている。これは2019年4月に東京・池袋で起きた旧通産省工業技術院の元院長による交通事故などにより、高齢者による事故が社会的な関心を集めたこともあり、免許証の自主返納を積極的に働きかける動きとなっていることのひとつだ。

 なお、2020年3月9日の警察庁発表では2019年度に運転免許証を自主返納したドライバーは全国で60万1022人。前年比42.7%増となり、運転免許証の自主返納制度が1998年に始まって以降、最多となっている。割合として75歳以上は全体の58.3%を占める35万428人(同20%増)。これは2014年の3.6倍に上り、75歳未満も大幅に増加し、前年の1.9倍にあたる25万594人が自主返納を行なった。

 ちなみに、運転免許証に代わる本人確認書類の「運転経歴証明書」を受け取ったのは、前年比44.7%増の51万9188人。同じく、2002年の制度導入以降で最多を更新し増えて続けており、運転経歴証明書は返納後5年以内であれば、交付手数料1,100円で申請することが可能だ。

 この運転経歴証明書は運転免許証の代わりの身分証明書となるほか、提示することでバスや鉄道が半額(自治体によっては無料)となるほか、タクシー料金が10%割引になったり、各種施設の利用料金が割引になるなど、多くのメリットを受けることが可能。現在、全国の各自治体主導のもとで、運転免許証を自主返納した人をはじめ、高齢者がマイカーに依存することなく移動することができ、充実した生活を続けられるよう、地域の実情に応じての高齢者へサポートする取り組みが行なわれている。

 では、運転免許の返納はどのように手続きするのだろうか。運転免許証が有効な場合を前提とし、免許試験場や警察署などに運転免許証の返納(申請取り消し)を申請するだけ。申請の際には運転免許証と印鑑が必要になり、手数料はナシ。本人申請だけでなく、代理申請が可能な自治体もある。

 もちろん、地方など自主返納後の移動手段や生活に不安があるケースもあるため、高齢運転者と家族だけの話だけでなく、支援施策に携わる自治体関係者の積極的なサポートが必要だ。高齢者と関わりのある、その他大勢の人達の協力があってこその話だということも考慮しておきたい。

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