普段使いもアクティビティも最適な1台とは
クルマを利用したアクティビティとして定着した感のある「キャンプ」。楽しみ方はひとりの時間を満喫するソロキャンプから、家族や仲間と一緒のグループキャンプまで様々であり、使いやすいクルマも人数などで変わる。スタイルごとにキャンプ向きのクルマを考えてみよう。
車内で快適に寝たいソロキャンパー向け
まずは気が向いたらフラッと出かけることができ、日常生活にはない自由かつ気ままさで人気のソロキャンプ。ひとりなので荷物は必然的に少なくなるし、ぶっちゃけ「どんなクルマでもいい」ともいえるが、単身者ならば維持費の安い軽自動車やコンパクトカーを推したい。
ソロキャンパーは静かな環境を求めるケースが多く、キャンプ場もメジャーな高規格ではなく、ツウになるほど設備が簡素で人里から離れたところを好む傾向が強い。そういった場所はたいてい郊外の奥地にあってアクセスするための道路も狭いので、小柄で燃費のいいクルマが向いているのではないだろうか。
近年はソロキャンパー向けのギアが非常に充実しているし、軽トラックなら荷台にピッタリ収まるサイズのテントや、搭載するだけでキャンピングカーに変わる専用シェルなどもある。また、室内がフロントまでフルフラットにすることが可能で、大人ひとりが窮屈せずに車中泊できる車種もあり、ソロキャンプを楽しむ環境がかなり整ってきたのが最近の傾向だ。
仮にソロじゃなくふたりでのキャンプあっても、テントが完全なひとり用サイズでもない限り、さほどストレスを感じることなく楽しめるだろう。
家族連れやグループは進化系ミニバンで
続いては対照的な3人を超えるグループでのキャンプ。その人数ならギアの個数は当然として、各々のサイズも大きくなる。テントにせよテーブルにせよソロ用と多人数用では、収納したときのサイズもまるで違うため、積載スペースの大きいミニバンやステーションワゴンがオススメ。 特に3列シートを備えたミニバンは最後列をたたんでしまえば、3人分を超える道具や途中で調達する食材も余裕で積める。また、純正アクセサリーとしてベッドキットなど、車中泊に使えるアイテムなども用意されているので、チェックしてみるといいだろう。
たまに小さなクルマが天井の近くまで荷物を入れて走る姿を見かけるけど、後方視界はないも同然だし車重が極端に増えることで、燃費や運動性能が著しく悪化してしまう。テントを張ったあとは動かずまったりするなら別として、現地でアクティブに活動したいならSUVというチョイスも面白い。河原や林道を安全に走るには高い走破性が欠かせないし、ロードクリアランスがあるので下まわりをヒットする確率も減る。
また、テントを使わず家族で車中泊ならミニバンの一択。大人3名となれば大型のミニバンでも厳しいだろうが、両親と子供ひとりくらいならば眠れるだけのスペースは確保できる。テントを張ったり片付ける手間が不要だし、急に雨が降ったり強風が吹いてとしても安全だ。
ミニバンといえば3列シートという印象だが、子供2人の4人家族だと3列目まで使う機会はほとんどない。最近では、2列シート仕様(4〜5人乗り)に割り切って3列シート部分を排除したキャンパー仕様ミニバンも登場しているので、アクティブなファミリーには絶好の選択となるはず。
いま所有しているクルマがあればソレを使って工夫するのが当然だけど、近く乗り換える予定がありキャンプを趣味としているなら、こういった観点から愛車を選んでみるのもアリだろう。