この記事をまとめると
■「青切符」は8日以内に反則金を納める
■未納者は反則金相当額と送付費用再交付
■反則金未納だと逮捕されることもある!
軽微な違反が刑事裁判に発展する可能性
交通違反を犯して警察官につかまると、いわゆる青切符・赤切符を切られてしまう。このうち、違反点数が6点未満の軽微な反則行為(例:一時停止違反、駐車違反、一般道で30km/h未満の速度違反、高速道路で40km/h未満の速度違反など)の場合、青切符=正式には「交通反則告知書」が告知され、“交通反則通告制度”が適用される。
交通反則通告制度とは、自動車や原動機付自転車などの運転者のした前記の「反則行為」について、警察官から交通反則告知書(青キップ)と一緒に渡された納付書を使って、8日以内に郵便局か銀行に定額の「反則金」を納めると、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受ける必要なく処理される制度。
じつは、反則金の納付は任意だ。しかし、期間内に納付しなければ、刑事訴訟手続または少年審判手続で処理されることになる(8日以内に反則金を納めなかったからといって、直ちに裁判沙汰になることはない)。
青キップと同時に手渡される”納付書”で、反則金を納付しなかった人には、青キップを告知された日からおおむね40日後に、反則金相当額と送付費用(800円プラス消費税)を合わせた、「新たな納付書」が郵送される。
この再交付された「納付書」の期限内に反則金を金融機関で納付すれば、刑罰や家庭裁判所の処分を受ける必要なし。しかし、納付しなかったとなると少し厄介なことになっていくのだ。
それが「反則金未納通知書最終通知」というもの(郵送で届く)。文字通りの”最終通知”で、さらに無視を続けていると、日時を指定された警察への出頭要請が来ることになってしまう。
警察はあなたの言い分を聞いたうえで、一定の期間をおいて検察に書類を送検。起訴するか、不起訴にするのか判断を委ねることになる。一方で、警察からの出頭要請も無視しても、何回かは出頭要請が送られてくる。
逮捕・起訴される可能性
それを無視し続けて、再三警察の出頭要請に応じないとなると、ある日いきなり警察官がやってきて逮捕・起訴される可能性がある。「たかが数千円の反則金で逮捕なんて」と思うかもしれないが、警視庁は一昨年、出頭要請に応じず反則金が未納だった交通違反者を524人逮捕したと報道されて話題になった。
昨年末、埼玉県警が反則金未納で出頭に応じなかった3人を逮捕したというニュースもまだ記憶に新しいところ。たとえ軽微な違反でも警察に対し“放置プレイ”というのは通じない可能性もあるのだ。
違反切符を切られてしまった場合は、素直に反則金を納めるか、出頭要請に応じて正々堂々と自分の言い分をはっきり伝え、正式な裁判を望むと宣言するしかない(青切符の場合、不起訴になるケースは多いが……)。
「数千円の反則金なんて、踏み倒したってなんとかなるだろう」、という甘い考えは捨てた方がいいだろう。