より万全に対策するためには?
とはいえ内溝ナットも万全ではない。そこで登場したのがロックナットの頭部の構造を2重にしたもの。このタイプはキーアダプターがないと外側のカラーが空転する構造なのでカラーを工具で掴んで回してもナットは一切回らない。この2重構造ナットは現状で最も防犯効果が高いタイプと言える。
サーキット仕様車などではワイドトレッドスペーサーの有無やホイールの履き替えに対応するため、ロングハブボルトに換えているクルマもある。その際はボルトの突き出しがホイールごとに変わるため、貫通ナットが使われる例が多い。もちろん、貫通ナットにもロックナットがある。サーキットユースの軽量ホイールは盗難率も高いので、貫通ナットを使っている人はぜひロックナットをあわせてほしい。
さて、ロックナットはホイールの盗難予防に効果があるものだが、キーアダプターがないとホイールを外せないと言うことなので、出先でパンクした場合などに備えてキーアダプターを車載しておくのは大事。
脱着に必要なアダプターの管理も大事
とはいえ積みっぱなしでは車上荒らしに遭った際にキーアダプターを盗られる可能性もある。グローブボックスやコンソールなどわかりやすいところに保管するのではなく、見つけにくいところに隠すなどの工夫は必須だ。ふだん使うカバンなどに入れて乗るたびに持ち込むというのも多いにありだ。最近はスマートキーのクルマが増えているので、キーと一緒にポーチにアダプターを入れておくといいだろう。
メーカーによってはキーアダプターにシリアル番号を設けていて、もしキーアダプターを紛失した際の再発行ができる体制を整えている。ただし、サービスを利用するにはユーザー登録を済ませているのが前提なので、製品を購入した際は必ず登録しておくこと。そして発行されたシリアル番号は、画像やテキストファイルなどに納めて、必要になったときにすぐ調べられるようスマートフォンやPCなどに控えておくべきだ。
なお、ユーザー登録をしていなくて、なおかつシリアル番号もわからないという場合もメーカーに問い合わせるとキーアダプターの再発行は可能でもある。当然のことながら、手続きに手間が掛かるし、アダプタが届くまで数週間くらいの時間が掛かるという。
キーアダプターがないと通常の整備や修理のときに困るだけでなく、パンクなどの急を要するタイヤ交換に対応できない。中古車を購入して、ロックナットが付いているのにキーアダプターが手元にないというときは、早めに再発行手続きを行っておきたい。