被害者が直後にとるべき正しい対応
人身事故を起こした当事者が逃走してしまったら「ひき逃げ」といいますが、「当て逃げ」は車両対車両の物損事故を起こした当事者が逃げてしまうことをいいます。
結論から言ってしまえば、当て逃げされたときはどうしようもなく、ほとんどのケースで諦めることになるでしょう。それでもやっておくべきことはあります。「当て逃げ」された場合は、まず警察に通報すること。「事故証明書」を作成してもらうためです。事故として認められないと、その後の捜査も始まりませんし、自動車保険を使って修理する際にも必要となるのです。
ドラレコや監視カメラの映像も提出しよう
その際に役立つのは、ドライブレコーダーや監視カメラの映像。警察に届けておくことで「犯人捜し」には役立ちますが、クルマがこすった程度の物損事故では当事者が見つかるケースはほとんどないといえるででしょう。人身事故となる「ひき逃げ」と同等の捜査のリソースを割いてはくれないからです。
「警察がちゃんと捜査してくれないのなら、自力で探す」と、仮に見つけたとしても私人が対応せずに通報すること。ただし、民事訴訟を起こすにしても「当て逃げ」したという確固たる証拠が必要。個人レベルでできることはほとんどありません。
現実的には自分の任意保険で直すことになる
ほとんどのケースでは、自腹で修理するか、自分の加入している任意保険(車両保険)を使って直すことになります。自費で直す場合には、事故証明書は不要。物損の程度にもよりますが、バンパーをこすられたり、ボディパネルにエクボ程度のへこみができたくらいであれば、相手を探すよりも自分で直してしまったほうが、人生の時間は有意義に使えるでしょう。
人間ですので腹は立つし、自分のせいでもないのに自腹で修理するのは納得できないでしょうが、相手が見つかるまで愛車が壊れた状態で放置することで、まともに乗れる時間が短くなるほうがカーライフ全体においてはムダなこと。「時は金なり」です。
当て逃げの相手がすぐに見つかれば別ですが、見つかることのほうが稀。そもそも、当て逃げするようなドライバーが、対物補償のある任意保険に入っているとも思えないし、仮に民事訴訟で賠償が認められても素直に払うとは限りません。
道徳的な良し悪しは別として、軽微なキズならば自分で直して、気持ちよく愛車と付き合っていくほうが健康的といえるでしょう。