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「フェンダーのツメ折り」は事故車扱いってホント?シャコタン車の定番メニューは封印か

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

デメリットによるリスクをどう考えるか

 クルマのカスタムメニューのひとつである「フェンダーのツメ折り加工」。タイヤがフェンダーの内側に擦れて傷付くのを防ぎ、ホイールをツライチで履くためにも有効な手法だ。しかし、ツメ折り=事故車と扱われたり、買い取り額が下がるなんてウワサもある。それらの真偽とツメ折りする際の注意点を解説しよう。

 車高を大きく落としたり、太いタイヤやホイールを履かせる場合、その干渉を防ぐために必要となってくるメニューがフェンダーのツメ折り。フェンダーの”ツメ”は内側(タイヤハウス側)に曲げられており、その部分をさらに内側つまり上方向に折り曲げ、タイヤやホイールとの干渉を防ぐという加工だ。ホイールのツラ部分をフェンダーのラインに揃える、いわゆるツライチに欠かせないメニューであり、ツメ折りをしなかったことで、フェンダーとタイヤが擦れあってバースト(タイヤの破裂)を起こしたというケースもよく聞く。

 そんなフェンダーのツメ折りだけど、事故車として扱われるなんて納得できない。そう憤慨する人も多いだろう。ウワサの真相を確かめるべく、某ディーラーの営業スタッフに聞いてみた。

「実際に査定したことがないので断言はできませんが、事故車とはいわずとも極端な改造車と判断され、いずれにしろマイナス査定になる可能性はあります。ただ、勤続20年の自分ですら一度もお目にかかったことがないので、そういったクルマをディーラーで買取してもらう人は、非常に珍しいケースではないでしょうか」とのこと。

 では、カスタマイズカー専門の中古車販売店はどう判断するか。コチラは「ツメ折りしているかよりも処理がキチンとされているか、査定のときはそこがポイントになります。プロが塗装面をヒートガンなどで温めながら、塗膜が割れないようキレイに折っていればマイナスにならないし、素人が鉄パイプなどでいい加減に折った形跡があればイメージは決してよくないですね」と、作業のクオリティで大きく左右されるようだ。

 ツメ折りしたからといって車検に落ちるワケじゃないし、愛車の足もとをカッコよく極めるには欠かせないメニューであることは違いない。ただし、フェンダーごと交換できるフロントはともかく、リヤは失敗すると修復には結構な手間と費用がかかり、それこそ事故車と同レベルの鈑金作業が必要になるケースもある。

 くれぐれも安く済ませようと生半可な知識と技術で手を出さず、ノウハウを持ったプロに依頼することが大切なのだ。なお、ナンバー付き競技用車両で行なうモータースポーツでは爪折り禁止(JAF規則)なので、要注意。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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