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クルマが誤作動を起こす? DIYでバッテリー交換をやってはいけない理由とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

メモリー消失というリスクを防ぐ

 クルマの部品交換の中でも、バッテリー交換は比較的に簡単な部類だろう。DIYで交換したことがある人も多いだろうが、最近は少し事情が変わってきている。というのも、メモリー機能のある電子機器を装備した車種が増えており、バッテリーをいったん外すとクルマに記憶させていたデータが消えてしまい、のちのち面倒なことが生じるからだ。

 時計やオーディオ、ナビなどの設定が消えてしまうのは以前からあったが、最近ではエンジン学習機能・コンピュータといった重要なメモリーが消失してしまうという問題が発生。燃費が悪化したり、乗り心地が変わったり、アイドリングが不安定になるというのも珍しくない。

 また、メーカーによっては盗難防止装置が誤作動を起こしたり、警告灯が点灯したり、パワーウィンドウのオート機能が使えなくなるといった症状が出るケースもある。こうしたエラーは、一定の距離・時間を走れば解消することもあるが、ディーラーなどでメモリー復元作業をしてもらう必要があり、DIYでの交換作業がかえって厄介になることもあるのだ。

 そうしたトラブルを防ぐために用意しておきたいのが「バックアップ電源」。メモリーバックアップの電源は、カー用品店や通販などで1000~2000円で販売されており、メモリーを消去させずに、DIYでバッテリー交換することは可能になる。

 しかし、バッテリー交換のサイクルといえば3~4年に1度ぐらい。わざわざバックアップ用の電源ツールを買って保存するくらいならば、カー用品店やホームセンターなどで交換してもらった方が賢明といえるだろう。

 工賃も無料のところが多く、有料でも500~1000円ぐらいとリーズナブル。DIYと違って、廃バッテリーもその場で引き取ってもらえるというのも大きなメリットである。当然、バックアップ装置を使用して交換作業を行なってくれる。

 ただし、輸入車の一部、例えばメルセデス・ベンツのモニター付き車両などは、汎用のバックアップはNG。正規ディーラーでの交換が必須というクルマがあるので注意したい。費用的には、通販で安いバッテリーを購入し、DIYで交換するのが一番コストはかからないのかもしれないが、メモリーのバックアップのことや、廃バッテリーの処分などを考えると、カー用品店などに頼んだ方が安心で、トータルコストも安いはずだ。

 それでもDIYはという人は、バックアップ電源を用意したうえでチャレンジを。なお、クルマのバッテリーは、自治体では家庭ゴミとして回収してもらえないので、廃バッテリー回収サービス付の通販を選ぶようにしよう。

 ディーラーやガソリンスタンドでも、廃バッテリーを引き取ってもらえるが有料の場合もある。バッテリー回収業者やリサイクル業者もあるが、送料がかかったり、バッテリーは傾けたり倒したりすると希硫酸がこぼれて大変なことになるので、梱包や運搬にも細心の注意が必要だ。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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