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【特殊車両が持つ回転灯の役割】赤色、黄色、青色、緑色、紫色はどんな意味がある?

それぞれの色は法律で決められている

 街中で遭遇することがある緊急自動車や道路維持作業用自動車。一般車との大きな違いとしてルーフ上にある「回転灯」がありますが、パトカーは”赤色”はご存知として、高速道路で見かけるパトロールカーは”黄色”というのもなんとなくイメージできるはずです。

 回転灯には赤色と黄色のほかにも青色、緑色、紫色があり、見かけることは稀ですが、いずれも用途が決まっていて、車両に取り付ける場合の要件は法で厳格に規定。このように、道路を走行する目的や役割によって回転灯の色は決められています。少し詳しく色ごとに違いを説明していきましょう。

【赤色】

 まず、思い浮かべる赤色回転灯は緊急自動車用。緊急車両は「消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と、道路交通法第39条で定義しています。

 道路交通法施行令などによって要件などが定められて、警察車両や救急車、消防車のほか、輸血用血液製剤の運搬車両、自衛隊車両、ガス会社や電力会社など公益事業の応急作業用車両など、まさに緊急用務のために走行しなければいけない車両に赤色の回転灯が使用されます。同時に、緊急自動車は「サイレン」の装置が備わるのも大きな特徴でしょう。

 

【黄色】

 黄色の回転灯は、主に国土交通省やNEXCO各社で修繕や道路標示の設置など、道路維持作業用自動車に使用。高速道路で見かけるハイウェイパトロールカーのほかに、清掃車や除雪車などが対象となります。ハイウェイパトロールカーは主に黄色の回転灯を使用しますが、緊急車両の認可を受けた車両は赤色灯も装備(切り替え可能)。 交通事故などが発生した際にいち早く現場へ向かうことが可能になっています。

 

【青色】

 つぎに青色の回転灯。こちらは自主防犯活動用自動車で使用されています。自主防犯活動を行なうことを目的としており、一定の条件を満たす団体が活動エリアにある警察と運輸支局などの許可を受けて防犯パトロールに使用するクルマに装備。通称”青パト”と呼ばれる防犯パトロールカーのことです。 街中では、白と黒のツートンカラーでパトカーに見える車両もありますが、目的は安全・安心なまちづくりに向けた地域の防犯活動のため、警察車両とは違って緊急走行はできません。

 

【緑色】

 さらに緑色の回転灯を配置する車両も存在します。主に運搬車両で使用されており、幅3メートル以上の大型トレーラーなどをけん引する特殊運搬車や、その誘導車にも安全上の理由から使われています。緑色の回転灯を使用するためには、保安基準緩和の申請が必要。深夜の大きな国道で見かける鉄道車両を運ぶトレーラーも然り。見かける機会は稀ですが、確認してみましょう。

 

 と、これまでは特殊なクルマに備わる回転灯の色について説明しましたが、じつは我々でも使用できる”色”が存在するのです。それは、故障などにより停止した車両に取り付けることができる紫色の回転灯。主に追突防止用として後続車に知らせるためであり、使用のための申請や届け出は不要。ただし、点灯できるのは停車時のみで走行中は使用不可なので正しい使い方をしましょう。当然ながらファッション目的で車両に使用すると「道路交通法違反」となるので絶対にやめましょう。

 このように、回転灯は法律で色の識別が定められているので車両や目的に応じて届け出や認可を受ける必要があるのです。

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