軽自動車だけのサーキット走行イベントも流行
税金やタイヤ代など維持費の安さも追い風となり、軽自動車でスポーツ走行を楽しむユーザーが増えている。もちろん日常の足としても使えるので、幅広く活用することが可能だ。そこで、若者やサーキット初心者でも気軽に購入できるであろう、流通量がそこそこあって極端に古くないモデルを、車両価格50万円を目安に提案してみたい。
【スズキ・アルトバン】
真っ先に推したいのはスズキの「アルトバン(HA23)」だ。現在の軽自動車によるモータースポーツの流行を作り上げた存在で、10年目を迎えた『東北660選手権』といった走行会イベントでも主力車種のひとつ。
バイクのように高回転までまわるエンジン、旧規格と変わらない軽量なボディ、パーツやセッティングのデータが豊富。チューニング済みの中古車も多いが、人気に比例して価格高騰しているのが唯一の難点だろう。なかでも”3ドア&FF&5速MT”は注目度が高いので、程度がいい個体はオークションでもなかなか見つからない。イチからチューニングするならば、人によってはレース車両を買ったほうがお得感は高いだろう。 なお、東北660選手権の参戦車ならレギュレーションでエアコン装備、またナンバー付きが前提なので街乗りも不便じゃないはず。
【ダイハツ・エッセ&ミラ】
ダイハツの「エッセ(L235)」も主力車種のひとつ。オーバーハングが短く旋回性の高いボディ形状、そしてアルトよりも低速トルクがある自然吸気エンジンは、スポーツ走行において大きな武器となる。4ドアのみで普段の使い勝手がいいのもメリットだろう。 また、同じくダイハツの「ミラ(L275)」もエッセと同じエンジンを搭載。ホイールベースがさらに長いため、高速サーキットでの安定感はバツグンといえるだろう。2018年まで新車が販売されており、高年式の営業車やリース車がアルトバン(HA23V)と変わらない、もしくは安い値段で出まわっているケースもある。
【ダイハツ・コペン】
NA(自然吸気)ばかりじゃなく、ターボ車もふたつほど。今ならばダイハツ「コペン(L880K)」をイチ押ししたい。
オープンならではの開放感を満喫でき、エンジンは上質かつチューニングしやすい4気筒のJB-DET型。初期型は2002年デビューと若干の古さは感じるものの、登録に関係する諸費用やちょっとしたメンテナンス込みで、50万円でお釣りが出るような中古車も決して珍しくない。
【スズキ・アルトワークス】
最後は定番ともいえる、スズキの「アルトワークス(HA12S/22S)」。新車が販売されていた当時からサーキットでは大人気で、それが故に程度のいいタマを探すのは難しいかもしれない。とはいえ、エンジンはF6A型(直3SOHCターボ)を搭載するHA12S、K6A型(直3DOHCターボ)のHA22Sと2種類あり、さらに2WDと4WDから選ぶことも可能。あくまでチューニングやスポーツ走行に耐えられることが前提になるが、ステージや好みでチョイスできるのは嬉しい。
以上の車種はサーキット走行会でも人気が高く、走りを楽しむのと同時に仲間を作るのにも役立ってくれる。格安の軽自動車でスポーツドライビングを満喫しよう。