初心者に多い”ムダな力”が入っているケース
クルマの運転における”上手い”と”下手”を判定するのに、必ずしも実際の走りを見る必要はない。ハンドルの握り方を見るだけでも、その人の運転スキルはある程度わかるものだからだ。どんな分野にも共通することだが、何かを操作したり、運動をするときに、肩に力が入っているのはビギナーの証拠。クルマの運転でも同じで、運転が苦手な人は肩に力が入って吊り上った状態になっているケースが多い。
さらに細かく見ていくと、ハンドルを切ったときに肘が上がってしまう人は、手首が固い証拠。原因は、ハンドルを強く握り過ぎてしまっているためで、人間にはモノを握ると身体が固まるという習性がある。これを運動科学の専門用語で「把捉性拘束」というのだが、握れば握るほど強くなるため、ハンドルは握力ではなく接触面積を増やし、密着度を増すことでホールドするようにするのがコツだ。
肩、肘、手首の力が抜ければ、リラックスして、周囲の状況がよく見えるようになる。クルマの性能に負けないように、自分の身体もチューニングして、ハンドルの握り方を見ただけでも「おぬし、やるな」といわれるように腕の立つドライバーを目指したいものだ。