高齢化社会の日本でブーム到来はあるか
ボディサイズは小さくとも機能や内外装を上質にした「小さな高級車」、輸入車ではイギリスのバンデンプラプリンセスやベンツ190などの成功例もある。しかし日本車では、そういった目的として市場投入されたモデルはあるものの、成功例は浮かばない。
しかし、クルマ文化で努力を積み上げ成功してきたニッポン。小さな高級車こそ、高級技術と歴史があればこそ生み出せるものではないのだろうか。小さな高級車造りに対する挑戦があったことを忘れてはならない、というわけで少し振り返ってみたい。
日産・ローレルスピリット
日産の「ローレルスピリット」は、かつてあったディーラーの日産モーター店で販売されたサニーの兄弟車だ。日産モーター店では、トヨタのマークII三兄弟のライバルだったローレルが販売されていたこともあり、弟分であるローレルスピリットは車名の通り、ローレルを踏襲したクラス以上の内外装を持っていた。
ホンダ・コンチェルト
ホンダの「コンチェルト」は4代目シビックをベースにした小型セダン。当時、ホンダと業務提携を結んでいた英国ローバー社との共同開発により誕生したモデルである。
トヨタ・プログレ
トヨタの「プログレ」はまさに、”小さな高級車”の代名詞。そのままキャッチコピーとし、ボディを5ナンバーサイズにとどめ、FR車として1998年に登場した。
マツダ・ベリーサ
2代目デミオの兄弟車として登場したのがマツダの「ベリーサ」。2代目デミオに対して、より広いキャビンを持ち、静粛性への配慮を行う全体的なクオリティを向上させるなど、セダンではなくコンパクトカーだったものの小さな高級車としての素質は決して悪くなかった。
しかしその割に、つかみどころのないスタイルやさほど高級に見えないインテリアという、所詮は”ちょっと上質なコンパクトカー”という印象。デミオが現行型の4代目モデルとなった2015年までの長きに渡って販売されたものの、結局目立つことはなくひっそりと姿を消した。