事故受付センターへ自動的に連絡してくれる
クルマを運転していれば事故に遭遇するリスクは常につきまとい、さらには「あおり運転」による交通トラブルの可能性もある。そんな事象への対応として急速に普及しているのがドライブレコーダー(ドラレコ)だが、さらに注目されているのが自動車保険の「ドライブレコーダー特約」である。そのメリットとデメリットを考えてみたい。
ドライブレコーダー特約とは、契約する自動車保険に付帯するもの。契約期間中はドライブレコーダー本体を保険会社から貸与される。そのため、自費でドライブレコーダーを購入する必要はない。契約期間中は定額で費用(月額1000円以下/年払いも可)が発生するが、この中には事故などアクシデント発生時にセンターへ自動通報するための通信費用も含まれている。
最大のメリットは自動的に事故受付センターへ通報してくれる
この特約最大のメリットは、事故などアクシデントが発生した際は自動的に事故受付センターへ通報してくれることにある。通話機能が備わっている場合もあり、自分で保険会社に連絡しなくても保険会社のサポートが受けられるわけ。さらに事故時の映像はもちろん、位置情報や時刻なども自動で通知されるので、警備会社が現地へ駆けつけたり、事故の状況を報告することなく手続きが進められるのも大きなポイントだ。
また、ドラレコ本体には安全運転支援機能を搭載されていることも多い。車線をはみ出しそうなになるときや一定の速度を超えたときなど、危険をドラレコが察知するとアラートで警告するのだ。あくまで目安程度の精度でしかないが、うっかりミスを防止するのには役立つかも知れない。
ドライブレコーダー特約の割高感は否めない
一方でドラレコは単体なら1万円で替えるのがほとんどだ。一部の損保では2カメラ型も選べるようになったものの、購入すればそれが数年に渡って使えるわけで、単純比較ではドライブレコーダー特約の割高感は否めない。
その上、この特約を契約するにあたっては、事故時に記録された情報が自動通報されることに同意することが求められる。もちろん、この情報が第三者に漏れないように管理はされるが、少なくとも保険会社やデータ管理会社には伝えられる。この辺のプライバシーが気になる人には、この特約を契約することはオススメできない。この特約を契約できる保険会社が限られてしまうことも知っておこう。
とはいえ、ドラレコは今後、通信機能を備えてアクシデント発生を自動的に保存するスタイルになっていくのは確実だ。現状では記録したデータはメモリカード内に保存されているが、このデータは悪意の下で改ざんされることも考えられる。そのため、裁判ではドラレコのデータが参考とされることはあっても証拠として採用されていないのが現状だ。各個人がデータに触れられないようデータが管理されれば、裁判での扱いも今後変わってくるだろう。保険会社はそうした状況も見据え、クラウドでの管理を進めている。
※写真はイメージで、損害保険会社から提供されるドライブレコーダーではありません。