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プロの愛犬家に聞く! わんことの旅行に最適なクルマの条件とオススメ車種

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: 青山尚暉、Auto Messe Web編集部

ワンコが乗り降りしやすいクルマとは

 まずは「乗降性」。犬をワゴンのラゲッジスペースに乗せているシーンがクルマのカタログやCMに登場するけれど、愛犬は基本的に後席に乗せるべきだと思っている。何故なら、乗り心地(座り心地)に優れ、前席の飼い主とのアイコンタクトが容易で、体調不良などを早期に発見しやすく、また、夏場はエアコンの風が届きやすい。熱中症対策として、暑がりの犬もより快適にドライブを楽しめるからだ。 ワゴンやSUV、ミニバンなどでは、ラゲッジルームや拡大したラゲッジスペースに乗せることは可能とは言え、それは後席に乗員がいる場合に限る、と肝に銘じてほしい。愛犬は、まだ言葉を発することができない幼児と同じ。「自分の子供をラゲッジルームに乗せますか?」ということだ。 で、後席に乗せるとしたら、チェックポイントは乗りやすさ。小型犬の場合は、飼い主が抱っこして乗せればいいので、高さなどはあまり関係ないが、自身で乗り降りさせたい大型犬になると、あまりにも高すぎるフロアやシート地上高だとつらい。もちろん、通常のスイング式ドアよりスライドドアのほうが、犬は乗り降りしやすい。 スイング式だとどうしてもドア開口部が狭く、駐車環境によってはドアを全開できない。くわえて斜めに飛び乗り、飛び降りることになるからだ。

 

Mクラスボックス型ミニバンが乗せやすい

 多くのミニバンなら、シートに直接飛び乗るのではなく、一度、フロアに乗ってから、シートにジャンプする……というアクセスが可能。で、ミニバンの中でもフロアが低く、犬が乗り降りしやすいモデルとなると、スライドドア部分のフロア地上高が低めでワンステップフロアの「ステップワゴン」「セレナ」「ヴォクシー&ノア」あたりになる(フロア地上高390mm前後)。 しかし、低さ勝負ではホンダの「オデッセイ」が圧倒的で、アブソルートのフロア地上高は激低の290mm。もちろん、大型犬を2列目シートの上に乗せるというならばベンチタイプが有利だが、ヴォクシー&ノアやセレナのように、基本はキャプテンシートだが、中寄スライド機構によってベンチシート化できる車種だと、なにかと使いやすいだろう。

 2列目席に2名乗車させる際はキャプテンシートのまま使い(犬は3列目席に乗車)、犬を乗せる際はベンチシート化するというアレンジが可能なため。で、ミニバンに愛犬を乗車させるときに便利な機能が備わっているクルマと言えば「ステップワゴン」だ。 ステップワゴンは「わくわくゲート」のサブドアからも犬を乗せ下ろしさせることができ、車体後方にスペースがあまりないところでも、バックドアを開き、愛犬を3列目席を片側だけ床下格納した縦長のスペースなどに乗車させやすいのである。 セレナも、3列目席格納状態のラゲッジスペースにいる犬が、停車中、デュアルバックドアを開けることで、換気や新鮮な外気を安全に吸わせることができるからドッグフレンドリーでもある。

 

コンパクトミニバンではシエンタがオススメ

 同様に理由で、コンパクトミニバンながら、トヨタの「シエンタ」が優れている。スライドドア部分のフロア地上高は330mmと低く、2列目席はベンチタイプのシートを採用。ちなみにホンダのコンパクトミニバン「フリード」のスライドドア部分のフロア地上高は390mmだが、大型犬ならまったく問題ない高さといえるだろう。 なお、3列シートのミニバンの場合、「2名乗車+犬」というケースは犬をもっとも快適な2列目席に。「3~5名乗車」ならば室内側の3列目席に乗せることができ、なおかつMクラスミニバン以上なら、2/3列目席頭上にエアコン吹き出し口があるから、夏のドライブも快適である(犬は暑さに弱く熱中症になりやすく、死に至ることがあるので暑さ対策は欠かせない)。

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