自動車税コールセンターに聞いてみた
毎年「4月1日時点の所有者」に納税通知書が届けられる『自動車税』。旧車や大排気量車のオーナーにとっては金額が大きいだけに頭の痛いところだが、今年は新型コロナウイルスの影響で中小企業や自営業、フリーランスにとっては、例年以上に大きな負荷だと思われる。
新型コロナウイルスの感染拡大に対処する緊急経済対策の一環としては、車検の有効期間が切れる全自動車を対象に、4月30日まで有効期間を伸長することを発表したばかり【過去記事:新型コロナウイルス感染症対策・車検の有効期限4月30日まで延長を発表】。では、自動車税の減税、納税猶予が検討されてはいないのだろうか。東京都自動車税コールセンターに訊いてみた。
担当者によると「政府や都政ではそうしたことも検討されているとは思いますが、現時点(3月30日現在)では、まだ自動車税コールセンター(都税総合事務センター)には関連通知は来ていません」とのこと。
つまり、現場では検討されているかどうかも分からないというのが現状。ただし、現時点でも今回の新型コロナウイルスの影響は、地方税法15条により、納税の猶予が認められ、原則として1年以内の分割納付が認められる可能性があるとのことだ。
地方税法15条では、
一 震災、風水害、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかつたとき。
二 納税者や生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したとき。
三 事業を廃止し、又は休止したとき。
四 事業につき著しい損失を受けたとき。
五 前各号のいずれかに該当する事実に類する事実があったとき。
以上をケースに、納付や納入することができないと認められる金額を限度として、その者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その徴収を猶予することができる、とある。
今回のコロナ禍では上記の二〜四のケースで、納税猶予対象に当てはまる可能性はあるので、納入が厳しい場合は、都道府県税事務所にまず相談してみよう。 分割払いの回数は、普通車で2~3回(1年間分)というのが目安。軽自動車税は乗用・自家用で1万800円/年と少額なので、分割はNGだが猶予は認めてもらえる可能性はある。
また、最近はクレジットカードで自動車税の支払いができる都道府県も多いので、クレジットカードの分割払いを利用するのもひとつの手。とはいえ、3回以上の分割払いだと利息がかかる可能性があるうえ、クレジットカードでの納税には決済手数料(数百円)がかかることも。領収証がもらえなかったり、納税証明書発行までに約10日間かかるというデメリットもある。
一方で地方税法の納税猶予による分割払いの場合、猶予期間は自動車税を感応しているわけではないので、車検の有効期限が迫って来ても、車検が受けれないという問題がある。さらには延滞金も発生する場合もあるので要注意。
新型コロナウイルスの影響次第では、4月以降に自動車税の臨時減税、納税猶予が発表されるかもしれないが、コロナ禍で資金のやりくりが厳しくなってきている人は、自動車税についてもいまのうちに対策を練っておきたい。