事前のチェックで1発合格を目指せ
ディーラーや整備工場に依頼せず、自分で陸運支局に持ち込んで検査を受ける「ユーザー車検」。ユーザー車検といえども点検整備は必須なのだが、検査前に点検整備を行なう「前整備」と、車検を通してから点検整備を行なう「後整備」を選ぶことができる。
ただし、車検の合格率を高めるには「前整備」が圧倒的に有利。一発で確実に合格を得たいのなら「前整備」がオススメといえるだろう。点検項目は、点検整備記録簿の24カ月点検の点検項目(56か所)に準じて行なうわけだが、車検を通すために押さえておきたい基本箇所を、陸運支局の検査ラインの順番通りに列記しておこう。
第1ブロック 外回り検査
ここではまず車検証と申請書類の記載内容が、車両が同一であるかを確認。そして外回りと保安装置などの検査を受ける。ここでチェックされるのは下記の通り。
【タイヤ】
溝の残量(1.6mm以上)が1本でもスリップサインが出ているタイヤがあればアウト。亀裂・ひび割れの有無も目視で確認したい。
【灯火類】
ヘッドライト・テールランプ・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウインカーなどがきちんと点くこと。灯火類のレンズの破損(光が漏れない程度のヒビはOK)しているのはNG。
【警告灯】
エンジンをかけた状態で、警告灯(メーター内のインジケータランプ)が点灯又は点滅しているクルマはアウト。エアバックを外しているクルマなどは注意したい。また、ホーン(クラクション)やウォッシャー液、ワイパーの作動もここでチェックされる。
【ガラス】
ウインドウに飛び石の傷やヒビが入っているのはアウト。スモークフィルムも保安基準に適合していなければならない。
第2ブロック 正しく作動するかチェック
ここではサイドスリップ検査、ブレーキ検査、スピードメーター検査、ヘッドライト検査が行なわれる。いずれもユーザー個人では点検できないので、車検当日に陸運支局のそばにある「予備検屋」(テスター屋)で、検査・調整を行なっておくと安心だ。樹脂製のヘッドライトが劣化して曇っていたりすると、光量不足で落とされるので注意しよう。
第3ブロック 排ガス検査
専用のプローブをマフラーの出口から挿入し、排気ガスの濃度を測定。排気ガスについても個人では手出しができないので、不安ならば先述の「予備検屋」での点検がベストといえそうだ。
第4ブロック 下まわり検査
下まわりの検査をクリアするには、ドライブシャフトブーツやステアリングラックブーツが破れていないことが最低条件。各種オイル漏れも基本的にNGで、マフラーの排気漏れなども厳しくチェックされる。
その他、Vベルトの伸びや劣化の点検、クーラントの交換、タイヤの空気圧の調整などもチェック項目。また、洗車も立派なメンテナンスなので、コイン洗車でもいいので下まわりも含め、ひと通りキレイにしてから検査ラインに入るようにしよう。