名前の由来は自動車雑誌の企画だった
1980年から90年代にかけて、元気のいい走りで人気となったモデルたちの総称として使われたのが「ボーイズレーサー」という表現。“ボーイズ”というように排気量は1.6リッターぐらいが上限で、多くが前輪駆動(FF)ベースのハッチバック車だった。その中から筆者が独断と偏見で選んだ国産ホットモデル5台を紹介したい。
じつは、筆者が当時所属していた「ホリデーオート」(昨年8月号を最後に休刊)がボーイズレーサーの名付け親だったと記憶している。なにしろ、当時は「街道レーサー」や「ハイソカー」など、今なら流行語大賞クラスのヒット作を連発していたのだ。
当時の先輩にこっそり尋ねたら、「海外の自動車雑誌がゴルフGTIやルノー5アルピーヌあたりを“小よく大を制す”という感じで使っていた表現をいただいたような記憶がある」とのこと。そういえば筑波サーキットにこの手のクルマを集めて、「ボーイズレーサー選手権」なんて巻頭特集をやった記憶が蘇ってきた。
そこでもうひとつ、これも外誌で見たフレーズかもしれないが、ボーイズレーサーの類語である「ホットハッチ」についても一言触れたい。こちらは“ハッチ”と名が付くので、少なくともボディ形状は限定される。いずれにしても国産車で元祖と言われるのは、1974年にデビューした初代シビックのRSという説が有力だ。
さらに世界に目を向けると、1977年に登場した初代のゴルフGTI(日本国内には導入されず)がホットハッチのルーツという人もいれば、1962年のミニ・クーパーを挙げている記述も見かけられる。