トヨタ・三菱にも魅力たっぷりのホットハッチ
さて、一番悩んだのがトヨタ車からは何にしようか、ということ。1984年10月のカローラFX(AE82)や1986年9月のカローラII3ドアリトラGPターボ(EL31)、さらに1989年12月デビューで未だ富士スピードウェイなどで現役バリバリの4代目スターレット(EP82)など、どれも捨てがたい魅力たっぷりのホットハッチだ。
【スターレット】
ただ、最後に残ったのが同じスターレットでも1世代前の3代目(EP71型)。「イダテンターボ」のキャッチコピーでも知られるターボモデルがその対象だ。
EP71型へのフルモデルチェンジは1984年10月だが、別名「スタタボ」の登場は1986年1月とのこと。エンジンは1.2リッター3バルブSOHCの2EE型に空冷インタークーラー付きの水冷ターボをドッキングした2E-TELU型。通常時は105ps、Loモード時は91psと過給圧を手動で切り替えられたのが特徴だった。当時の記事を見ると、シャーシがパワーに対して不足気味で、いわゆるジャジャ馬ぶりを発揮したのである。
このあたりは先代の2代目(KP61)までのFRレイアウトからの変更で、熟成に要する時間がまだ足りていない印象が強い部分だった。
【ミラージュ】
その点「ミラージュCYBORG(サイボーグ・C53A型)」は、少なくとも同門の三菱車にはライバルは不在。すんなり当選確実となった。3代目となるミラージュのデビューは、1987年10月。ほぼ同時期にフルモデルチェンジした兄貴分のギャランとそっくりのフロントフェイスを持つが、「ロングウェイビングルーフ」と名付けられたシルエットは当時人気だったシビックを模したものだと推測される。 このミラージュでは廉価版のTに加えて、SWIFT(スイフト)/CYBORG(サイボーグ)/FABIO(ファビオ)/XYVVX(ザイビクス)という、合計5つのバリエーション展開を行なったことが特徴。街乗りならばスイフト、女性ユーザー向けのファビオ、2シーターのザイビクスという差別化を図ったが、走り屋向けに用意されたのがサイボーグだった。 なかでも1.6リッターDOHCにインタークーラーターボをプラスした「16V-T」が最強モデルで、145psを発揮する新開発サイクロンエンジンを搭載。フロントのスタビライザーと前後ショックアブソーバの減衰を同時に可変できる、世界初のデュアルモードサスペンションを採用した。