音楽メディアの変換やアプリの登場で変化
誰もが当たり前のように使っているスマートフォンとアプリ。カーライフを含む日常生活の利便性を大いに高め、もはやそれらを抜きにした暮らしなど考えられないほどだ。一方で技術の進化により消えたグッズが数多いのも事実。不便だった昔を懐かしみつつ、代表的なモノを紹介したい。
世の激しい移り変わりを表現する『10年ひと昔』なんて言葉があるけど、範囲を四半世紀つまり25年まで広げると、その変化というか進化はさらに大きくなる。クルマに限らず生活を激変させたモノ、それは何といっても「携帯電話」の進化だろう。
25年前といえばスマホどころかガラケーしか存在せず、カーライフに与える影響はさほど大きくなかった。しかし、現在では何かにつけてスマホで代用できる、というかスマホを使うことでより便利になった。その陰でひっそりと消えていったグッズ、といえば何を真っ先に思い出すだろうか。
【自動車電話】
まずは、当然といえば当然だが「自動車電話」。以前は超高額な保証金/加入料金/基本料金ゆえに庶民には縁がなく、企業の経営者たちが主なユーザーだった。当時はトランクに立てられた自動車電話用のアンテナが誇らしく、ダミーアンテナも市販されていたほどだ。“なんちゃってアンテナ”とはいえ、羨望の眼差しは少なからずあったものの、長くは続かず。携帯電話の普及に伴い消えたのも当然といえるだろう。
【CDチェンジャー】
続いては音楽に関係するグッズをふたつ。現在も光学ドライブを備えたカーオーディオは存在するが、ほとんど見かけなくなったのは複数枚のコンパクトディスクを収納できる「CDチェンジャー」だ。 いまはスマホに大量の音楽データが入り、それをBluetoothなどでカーオーディオと接続するのが当たり前の時代。商品代や取り付け工賃がかからず、CDを入れ替える手間もないスマホに移り変わるのは必然かもしれない。もっともCDチェンジャーに関しては、HDDを内蔵するデッキやカーナビが登場した時点で、その役目を終えたともいえるだろう。
【FMトランスミッター】
同じく現存はしているが目にする機会が減ったのは、スマホなどに入れた音楽をFMラジオの周波数に変換し、カーオーディオで受信および再生するためのアイテム「FMトランスミッター」だ。昔に比べて性能は向上し、まだまだ愛用者は多いとはいえ、いまや純正オーディオの大半がBluetooth対応となっているため、FMトランスミッターを使う機会は減っている。 都心部など多くの電波が飛び交う場所では動作が不安定で、お気に入りのところが雑音だらけでイラっとした、なんて思い出を持つ人もいるはずだ。
【カーナビ専用機】
ラストはポータブルを筆頭とした「カーナビ専用機」。理由は地図アプリの劇的な高精度化と普及で、スマホでは味わえない高度な機能を盛り込んだ一部の高級機は根強い人気ながら、多くの人にとっては「スマホで十分でしょ?」となるのも仕方ないのだろう。
なお、2019年12月1日より、運転中にスマートフォンなどを操作する「ながら運転」について厳罰化されている。くれぐれもスマホを使ったカーナビ操作は気をつけて欲しい。
このように技術が進化するスピードは現在も衰えず、次の25年どころか10年で姿を見なくなる、時代の波に消えていくグッズもあるに違いない。