一部機能はカスタマイズも可能に
クルマに求められる機能要素というのは時代やユーザー層によって大きく異なる。クルマ好きは純粋に走りを求めたがる傾向にあるが、市場の多くは燃費などの経済性、ナビや空調といった快適性へのニーズが高く、最近では運転支援システムを求める声も大きくなっている。
ここでは、そうした最新機能から装備の有無で利便性がかわってくるもの5つをピックアップ。ぜひともカタログの装備表でチェックしてほしい。
全方位モニター
まず駐車アシストとして有効なのが「全方位モニター」と呼ばれる機能。ボディの4か所に設置されたカメラの情報を合成し、まるで車体を真上から見ているかのような映像をナビやルームミラー部などに映し出す。これにより駐車しやすくなるというもので、いまや国産各社に設定のあるポピュラーな機能となっている。
ちなみに「全方位モニター」というのはスズキの呼び名で、元祖といえる日産では「アラウンドビューモニター」と呼称。各社で呼び名が異なるのは厄介だが、ほかには「パノラミック」や「マルチビュー」、「サラウンド」といった言葉が使われていることが多いので、カタログで探す際の参考にしてほしい。また、この機能を活かすには純正ナビのオプション装着が必須というケースもあるので、そのあたりもしっかり確認したい。
ハンズフリードア
便利機能といえば「ハンズフリー」という装備で、足の動作によってテールゲートやスライドドアを開ける機能も広がっている。いずれも荷物を持ったり、子どもを抱きかかえたりして両手がふさがっている状態で、スマートにドアを開けることができる。テールゲートのハンズフリーは欧州車での採用が早く、国産でもSUVを中心に広がっている。
スライドドアのハンズフリーは日産がセレナで最初に採用したことで話題となり、ホンダがディーラーオプションで設定したり、オートバックスが独自のハンズフリーキットを販売していたりする。
似たような機能としてはトヨタ・ダイハツ系が採用している「ウェルカムオープン」機能。これは事前に設定しておくことでスマートキーを持った人がスライドドアに近づくと、自動的に開けてくれるというもの。なお、この機能が選べるのは現時点ではアルファード/ヴェルファイアとタントくらいだ。
予約ドアロック
スライドドアといえば、いまや電動が当たり前の時代だが、ドアの開閉スピードは安全性も考えてゆっくりな設定となっている。そのため、後席から人が降りて、ドアを閉めて、キーロックをして…という一連の流れでドアが閉まるまで待っているという時間が生まれてしまう。急いでいる時や雨の日など、人によってはストレスと感じることだろう。、
そうしたときに有効なのが「予約ロック」と呼ばれる機能。スライドドアが閉まり切る前にリモコンキーなどを操作することで、クルマから離れても全ドアがロックされるというもの。ずいぶんとポピュラーな機能であり、後付けキットも各社から用意されているので、すでにミニバンに乗っている人も検討してみてほしい。
オートホールド
最近増えているのが「オートホールド」だ。これはEPB(電動パーキングブレーキ)に付随している機能で、信号待ちなどで停止したときにブレーキペダルから足を離しても停止状態をキープしてくれるというもの。こちらもメーカーによって名称は異なるが、基本的に「〜ホールド」という名前がついているのでスペック表から探すときのヒントにしてほしい。
なお、安全面に考慮して、オートホールド機能はエンジンをかけるごとにリセットされる。そのため毎度毎度の設定が手間と感じることもあるが、アフターパーツとしてオートホールド機能をシートベルト着用にリンクしてオンにするデバイスも存在している(例:ブリッツ・ブレーキホールドジャンパー)。
自己責任になるが、こうしたカスタマイズをすることで、よりオートホールド機能を便利に使うのも手だ。
ACC(追従クルーズコントロール)
最後に紹介するのが「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」。これはカメラやミリ波レーダーといったセンサーを利用して、高速道路で先行しているクルマに速度をあわせて追従するという自動運転的な機能。いまや珍しい機能ではないが、車種によっては低速域でキャンセルされてしまうこともある。いまであれば停止保持まで対応しているものを選ぶべきだろう。
また、速度設定の上限が何km/hになっているのかもチェックしたいが、そうした数値はカタログには明記されていないことがある。いまどきの国産車であれば高速道路の一部で採用されている120km/hの制限速度に対応できるよう135km/hまで設定できるクルマが増えているが、まだまだ115km/hまでしか設定できないこともある。そのあたりはディーラーなどで聞くといいだろう。 なお、輸入車では日本国内であれば十分すぎるほどの速度まで設定できることが多い。