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ハンドルの位置はどこが適正? 「チルトステアリング調整」を活用したいワケ

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

疲労の軽減にもつながる重要な機能

 ハンドル位置の調整用に設けられた機能に「チルト」と「テレスコピック」がある。チルトは、ハンドルの上下位置を調節する機能で、テレスコピックはハンドルの前後位置の調整に使う。チルトとテレスコピックを調整するためのレバーやスイッチは、ハンドルのコラム(シャフトの覆い部分)にある。

 調整を手動で行なうレバーの場合、コラムの脇や奥にレバーがあり、これを下げると固定が外れ、ハンドルは上下および前後に自由に動くようになる。ただし、この操作を行なう前に、まずは運転姿勢を正しくとるための座席位置の調整をしておかなければならない。 最初に、ブレーキペダルを右足で奥まで一杯に踏み込み、膝に少し余裕が残る位置に座席の前後調整を行なう。次に、ハンドルの頂点を両手で握り、肘にゆとりがあるところに座席の背もたれの角度を調整する。

 ここでハンドルが遠すぎると感じたら、コラムのレバーを操作してハンドル位置を調整。このとき、テレスコピックによりハンドルの前後位置を調整すれば、座席の背もたれを必要以上に立てなくても、ハンドルに両手が届くようになるはずだ。

 次に、チルトによってハンドルの高さを調整。目安となるのは、メーターや警告表示などがハンドルに隠れず見えるかどうか。ハンドル位置が低すぎると、表示の一部が欠けて見えにくくなってしまうほか、ペダル操作の際にハンドルが邪魔になる場合もある。ハンドル位置が高すぎると、操作の際に手が上がりすぎ、脇があいて体の姿勢が落ち着かなくなるのだ。

 手順や目安は以上だ。電動でチルトとテレスコピックの統制ができる車種では、スイッチを上下や前後へ動かすことで、両方を同時に調整できる。座席やハンドルの調整が一度でしっくりとこない場合は、それぞれの位置関係を微調整しなおすことも必要だろう。

 運転姿勢が定まったら、ドアミラーやルームミラーできちんと後方確認できているかどうかを確かめ、自分の目線に合うように調整。以上で、運転をはじめるための準備が整うのである。

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