「バンシェルター」プロジェクト始動へ
一向に収束の気配が見えない「新型コロナウイルス感染症」。緊急事態宣言も全国規模となり、現場からは悲痛な声が聞こえてきます。いまや医療崩壊が危惧されている中で、発熱外来や感染患者の収納、医療関係者の休憩場所ですら確保できないという状況に。事実、医療スタッフの中には、家にも帰れず、車中泊で凌いでいるという方もいます。
そんな状況下で、医療機関の病床や休憩所などの不足を解消するために、キャンピングカーやキャンピングトレーラーを無償で貸し出すプロジェクト「バンシェルター」がスタート。社会貢献活動の一環として、最前線で戦う医療関係者を支援する目的で、キャンピングカーレンタル会社や保有者と共に、新型コロナウイルス感染症の早期収束に向けて支援するというもの。再びクルマ旅・バンライフを楽しむことができる社会を取り戻すために発足したものです。
同プロジェクトは、車中泊スペースとキャンピングカーを含む車中泊仕様者のシェアサービスなど「バンライフ」のプラットフォーム事業を展開する「Carstay」と、クルマでの”旅ライフスタイル”を提案する「CarLife Japan」が共同運営。キャンピングカーや、自動車で牽引可能なトレーラーなど、医療機関向けに合計100台以上の車両提供を目指しています。
このためにCarstayは、プロジェクトの助成声援を全国各地から募るために、全国のクルマ旅、アウトドア、キャンピングカーなどの関係者や賛同者から合計1000万円の協力資金の調達を目指し、クラウドファンディングをCAMFIREで開始。実現すれば、医療施設は、キャンピングカーやトレーラーなどを無償で約1ヶ月間(2台~)借りることができ、期間終了後はCarstayが展開するサービス「バンシェア」を介して、有償で継続利用することも可能になっています。
既に4月10日より、川崎市立井田病院にキャンピングカーおよびトレーラーの無償貸し出しを開始。他にも導入先となる医療機関を募集しており、今後は関東から順次全国へと拡大していくそうです。新型コロナウイルス対策ダッシュボードによると、日本国内における「感染症病床使用率」は既に100%超え。特に東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・福岡県では、患者数が病床数を大きく上回り、早急な病床の拡充が求められています。
キャンピングカーのメリットを現場で活かす
プロジェクトでは、医療機関の駐車場スペースにキャンピングカーなどを配置することで、病床、待合室、診察、発熱外来、医者・看護師などの医療従事者の休息施設などとして利用。キャンピングカーや車中泊仕様のバンなどの「モバイルハウス(動く家)」は、固定された家と同じ様に水・電気・ベッドなどを備えた動く快適な空間なので、場所問わず、あらゆる状況下での利活用が可能というわけです。
また、医療分野では隔離向けシェルターとしても活用可能。東日本大震災や、熊本地震の際にも、キャンピングカー業界が被災地に車両を提供し、復興支援に貢献した事例があり、今回も同様の支援が医療現場から求められています。
キャンピングカー先進国である海外では既に、キャンピングカーをシェルターとして利用している医療施設や、ウイルス感染から隔離するために利用しているケースが増加。今回の「バンシェルター」プロジェクトにより、医療機関は、キャンピングカーを移動型の医療施設として応用利用することで、緊急時の一時使用のために新たに施設建設等、莫大な投資と時間を要することを避けることもできます。
プロジェクトが全国に普及して活用されることで、多くの感染者の尊い人命を救い、また必死の救援活動を展開している医療関係者を守り、医療崩壊を防ぐことで、早期の新型コロナウイルス感染症の収束になればと願うばかりです。
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