エコカー有利な「グリーン化特例」
さらに自動車税には「グリーン化特例」という制度がある。これは2020年燃費基準を上回っている(燃費性能に優れる)クルマについては、最大75%減税されるという時限制度(2021年3月31日まで)。2021年4月1日以降、減税制度はなくなるが、電気自動車・燃料電池車・プラグインハイブリッド車・天然ガス車・クリーンディーゼル車については、少なくとも2023年3月31日までは75%減税になることが決まっている。
また、「自動車重量税」も2021年4月30日までは、エコカー減税といって一定以上の基準を満たした省燃費カーや電気自動車などは初回車検での重量税が免税に。そのほか、燃費性能により50%減税、25%減税の対象となるクルマもある。
こちらも電気自動車などは2回目の車検でも免税となることからもわかるように、日本の自動車諸税は現時点ではゼロエミッションビークルの普及を考えた税制設計といえる。新型コロナウイルス対策としてロックダウンした各都市では大気汚染が大幅に軽減したというニュースも見聞きしているだろうが、あくまでもクルマ自体の使用が減ったことが大きく影響していることは間違いない。
国際基準に近い軽自動車税
つまり、大気汚染対策としては旧車からゼロエミッションビークルに乗り換えようというインセンティブになる税制は理解できなくはない。
とはいえ、日本の自動車諸税がバランスの取れた税制とは言い難いのも事実。自工会の豊田章男会長は「軽自動車税(四輪乗用車の年額1万800円)がグローバルスタンダードに近く、登録車も軽自動車並みの税額にすべき」という発言をよくしている。
自動車を保有することは贅沢ではなく、最低限の移動手段という地域もあり、そう考えると自動車ユーザーへの負担は大きすぎる。特定財源ならまだしも、前述したように自動車税・軽自動車税は一般財源であり、自動車ユーザーへの極端な課税はアンフェアな制度といえるのだ。
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チェンジカータックス(経済産業省)
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