SUVラインアップが完成!全高は1550mm
トヨタは4月23日、開催中止となった今春の第90回ジュネーブ国際モーターショーに出展予定だった「ヤリスクロス」をオンラインで世界初披露した。「ヤリス」をベースとするBセグメントの新たなSUVとして、日本では今年の秋、ヨーロッパでは来年半ばの発売を予定している。
ヤリス(先代まで日本のみヴィッツの名称を使用)は1990年にデビューした世界戦略車だ。トヨタのコンパクトカーの主力モデルとして、グローバルでは累計約871万台(今年3月末時点)を販売。さらに先代からWRC(世界ラリー選手権)にワークス参戦して見事にチャンピオンを獲得し、イメージリーダーという側面も持っている。現在は4代目となり、コンパクトカーの域を超える新世代コンパクトカーとして、2019年10月に世界初披露した。
トヨタが発表したリリースによると「ヤリスクロス」は、ヤリス・ブランドで築いてきた「走る楽しさへのこだわり」「クラスを超えた質感」を受け継ぎつつ、都市型コンパクトSUVを再定義することを目指して開発したとのこと。キーワードは「Robust=ロバスト(頑強)」と「Minimalistic=ミニマリスティック(最小限)」。日常ユースから週末のレジャーまで使い倒せることを目指している。
ヤリスと同じくコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)と、一新されたハイブリッドシステムの採用などにより、高次元の基本性能と環境性能を実現している。パワーユニットは1.5リッター直列3気筒の“ダイナミックフォース”ガソリンエンジンと、これにモーターを加えたTHSIIハイブリッド仕様の2種類を設定。それぞれにFF(前輪駆動)と4WDが設定され、ハイブリッド仕様は後輪をモーターで駆動するE-Fourとなっている。
ディメンションは、ヤリスよりひと回り大きい。ボディサイズは全長4180×全幅1765×全高1560mmで、ホイールベースは2560mm。ヤリスの国内仕様(2WD車)は全長3940×全幅1695×全高1500mmで、ホイールベースは2550mmとなっている。
ヤリスクロスのホイールベースがヤリスより10mm長いのは欧州の計測方法の違いによるものと思われる。そのほか、フロントのオーバーハングが60mm、リヤが170〜180mm延長され、全長は240mm長くなっている。全幅が一気に70mmも拡大したように思えるが、じつは欧州仕様のヤリスにはワイドフェンダーが装着され全幅が1745mmなので、それに比べると20mm広げられたのみだ。さらに国内仕様の全高はパレット式立体駐車場に入れる1550mmに調整されることが予想される。 ヤリスクロスの登場により、トヨタの新世代SUVラインアップがフルラインで完成することになる。すなわち、Aセグメントの「ライズ」、Bセグメントの「ヤリスクロス」、Cセグメントの「C-HR」、Dセグメントの「RAV4」となる。気になる価格だが、エントリーモデルが200万円前後、上級グレードが300万円前後あたりと予想される。なお国内向けモデルの生産はトヨタ自動車東日本が担当し、欧州市場向けにはフランス工場での生産が予定されている。