ボルボ初となる48Vハイブリッドシステムを搭載した「XC60」と「XC90」が導入

投稿日：2020.04.29

TEXT: 石田徹 PHOTO: ボルボ

充実の先進安全と運転支援機能が採用

　ボルボ・カー・ジャパンは4月23日、ボルボ初となる新開発48Vハイブリッドパワートレイン「B5」を「XC60」および「XC90」に搭載したモデルを追加。またXC90に限定車「XC90 B5 AWD Nordic Edition（ノルディック・エディション）」を設定し、発売した。

　ボルボは2025年までに世界販売台数の50％を電気自動車とし、残る50％をハイブリッド車（PHEVまたは48Vハイブリッド）とする壮大な電動化促進の目標を掲げている。今回はその一環として、いわゆる“マイルドハイブリッド”と呼ばれる48Vハイブリッド車を日本国内にも初めて導入したことになる。

　B5システムのエンジンには、新世代パワートレイン「Drive-E」の第3世代となる2.0リッター直列4気筒ガソリンターボを新開発。250ps／350Nmを発生するハイスペックなユニットだが、一定条件下で2気筒での走行も可能な気筒休止システム（CDA）を導入し、シリンダー表面処理の改良などでエンジン内部の摩擦低減を促進。燃費性能を大幅に向上している。また騒音レベルを抑えるために、エキゾーストシステムもアップデートされている。

　もちろんハイブリッドシステムにも、画期的なテクノロジーが注入されている。ISGM（インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール）による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行なっている。

　またスターターモーターの代わりにISGMを使ってエンジンの始動を行なうことにより、アイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減を実現している。なおギヤセレクターをバイ・ワイヤ化したことにより、「XC60 B5 AWD Inscription」にはスウェーデン・オレフォス社のクリスタルガラス製シフトノブを採用している。今回導入されたB5システム搭載の4モデルには、充実の先進安全と運転支援機能が採用されている。

　対向車対応機能や歩行者・サイクリスト検知機能、インターセクション・サポート（右折時対向車検知機能）などを備える「City Safety（衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム）」はもちろん全車標準。さらに全車速追従機能付きACC（アダプティブ・クルーズ・コントロール）やパイロット・アシスト（車線維持支援機能2）、BLIS（ブラインドスポット・インフォメーション･システム）、衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付きCTA（クロス・トラフィック・アラート）、ランオフロード・ミティゲーション（道路逸脱回避機能）、オンカミング・レーン・ミティゲーション（対向車線衝突回避支援機能）など16種類以上の先進安全・運転支援機能を擁する「Intelli Safe（インテリセーフ）」も全車に標準装備されている。

　最後に「XC90 B5 AWD Momentum」をベースに100台限定でリリースされた「XC90 B5 AWD Nordic Edition」のコンテンツを紹介しよう。まず人気オプションのパノラマ・ガラス・サンルーフとharman/kardon製プレミアムサウンド・オーディオシステムに加えて、通常のMomentumグレードには設定のない専用20インチアルミホイールを特別装備。インテリアにはスカンジナビアン・デザインを感じさせるウォールナットのウッドパネルのほか、カラーコンビネーションされた内外装を施している。