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レーシーなドレスアップに最適! 競技車両から学ぶ、実用性アリの小ワザたち

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭、Auto Messe Web編集部

小さくても効果絶大な手軽さも魅力

 見た目のカッコよさなんか気にせず、トコトン性能を追求した戦闘機。一切のムダを廃した精悍なスタイリングは、機能美という言葉が示すように独特の美しさがある。それはレーシングカーも同じこと。いわゆるレプリカを作らなくとも気軽にマネできる、実用性も備えたレーシーな小ワザを紹介していく。

 まずはチューニングカーでお馴染みの「ボンネットキャッチ」。昔は”ボンネットピン(ボンピン)”と呼ばれるパーツがメインだったけど、車検の際は突起物と判断されるようになり、現在では凹凸のない『エアロキャッチ』が主流だ。

 元々は高速でサーキットを走るレースカーが、走行中に開いてしまうのを防ぐためのパーツ。FRPなどの軽量ボンネットは純正ストライカー(キャッチャー)を使えない製品もあり、その場合はボンネットキャッチを使うことが必須となる。エアロキャッチは見た目がスタイリッシュなうえカラーバリエーションも豊富で、形状も楕円や円など選択肢が多いのでボディカラーなどに合わせてチョイス可能。純正ボンネット向けのダミータイプもあるのでチェックして欲しい。

 昔と今で変わったモノでいえば「牽引フック」も然り。純正の牽引フックは見えない位置に付いているが、モータースポーツ用は素早く牽引するため見えやすい場所にあり、かつサイズも大型であることが特徴だ。かつては鉄製で円形の固定式フックだったが、衝突したとき危険なので折りたたみ式になり、現在はより安全かつ軽量な布製の『トーループ』が大勢を占めている。 布とはいえシートベルトに使っているような強固な素材で、クルマの重さに耐えられず切れてしまう心配も無用だ。

 また、エンジンルームではオイルレベルゲージの「ストッパー」も、ドレスアップの小ワザとして注目されているようだ。エンジンを高回転でまわすと内部の圧力が高まり、レベルゲージが抜けてしまう可能性がある。

 それを防ぐためにスプリングでボディと繋ぐパーツで、以前は自作することがほとんどだったが、最近ではデザイン性にもこだわった車種専用品が多い。

 室内ではフロアに貼り付ける、滑り止め加工を施した鉄板が定番。サーキットではフロアマットを外すのがお約束なので、頻繁に走る人なら操作性や安全性も高まる一石二鳥のアイテムだろう。 また、ステアリングの中心に黄色いテープを巻くのも、センターの位置を視覚的に把握するために考えられた、レーシングカーやラリーカーのお約束だ。なお、最近では初めからその部分が黄色になったステアリングも販売されているので要チェックだ。

 マニアックなところでは耐久レース車両の定番である、4点式シートベルトをゴムでボディと結ぶ方法。ドライバー交代のときベルトを外した瞬間、ゴムで引っ張られシートの内側に垂れることがないため、スピーディに乗り換えするための小ワザとして考案された。

 もうひとつはリヤゲートダンパーのガスを抜き、割りピンを刺して下がらないよう固定する方法。公式レースではクラッシュ時などにリヤゲートが開くのを防ぐため、ダンパーを取り外すかガス抜きしなければならない。

 大半の参加者は上記の割りピンを使っており、開けるときはちょっと面倒に感じるかもしれないけど、ダンパーが劣化して勝手に下がるようになったら、このほうが安全だしお金もかからないのでアリ?

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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