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手に冷や汗をかくモデルも存在した! 「ミッドシップ」を採用した国産車5選【後編】

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

トヨタMR-S

 MR2の後継車として1999年にデビュー。AW11、SW20と違って、ソフトトップのオープンカーというのが大きな特徴。NA1.8Lの1ZZ-FEは140馬力とやや非力だが、車重は970kgと軽く、先代までと違って、シャシーとエンジンのバランスは非常によかった。

 ワインディングなどを走ると非常に楽しいクルマで、MTの他に国産量産車としては、はじめてのシーケンシャルマニュアルトランスミッション(SMT)を用意。走りはとっても評価できるMR-Sだが、唯一の欠点はカッコが悪かったこと。

 初代MR2に続いて、またしても居住性を重視したため、ポルシェボクスターの出来そこないみたいなクルマになってしまったのが残念。価格も安かったのでカッコさえよければ、スポーツカーの殿堂入りも夢ではなかったはずだ。

 

ホンダNSX(NC1)

 ホンダの二代目「NSX(NC1)」は、エンジンは確かにミッドシップに搭載しているが、”SPORTHYBRID SH-AWD”で、「MR」とはいえないモデル(フルタイム4WD)。ボディは大きすぎるとはいえないが、V6ツインターボエンジンにリチウムイオンバッテリーと3つのモーターを積んだ1800kgという車重は、やはりスポーツカーとして重すぎる。

 カーボンセラミックブレーキローターや、9速AT、パワーユニット全体で581馬力というパワーもすごいが、1800kgではどうしてもタイヤへの依存度がかなり大きくなってしまう。

 この車重では、どんなにハイテクを盛り込んでも、物理的に、スポーツカーの本質から離れていくことは避けられない。さらに厳しくいえば、この二代目NSX(NC1)には、スーパースポーツとしてのオーラ、貫録が決定的に不足しているので、高く評価することは難しい。

 こうして国産ミッドシップスポーツの歴史を振り返ってみると、ミッドシップスポーツなのに居住性を重視して、不細工なスタイリングになってしまったり、妙に操縦性が過激になって、自滅してしまったクルマが多いのも事実。スポーツカー好きが期待するパフォーマンスとスタイリングを両立できたのは、かろうじて初代NSXだけではなかろうか。

 ミッドシップスポーツをきっちり仕上げることは容易ではないかもしれないが、ここまましぼんでいくのではなく、幻に終わったMID4にトライした日産を含め、各メーカーが奮起して、もう一度本格的なミッドシップスポーツ作りにチャレンジしてほしいところだ。

 それもできれば、スーパースポーツだけでなく、比較的安価でボディサイズがコンパクトなライトなミッドシップスポーツが欲しい。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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