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ドラテクに悩む初心者必見! 上達を実感するサーキット走行での兆候とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

走り方の特徴を知ってタイムアップを目指せ

 ドライビングでウデが上がったと実感するのは、やはりサーキットのタイムが早くなったとき。しかし、タイムは気温やタイヤの状態でも左右される。初級者の壁を見事に乗り越えた先輩たちが考える、ドラテクがひと皮むけたと感じるタイムアップ以外のサインとは。

 雨だったりタイヤの状態がよほど悪い場合を除き、最初のうちは走れば走るほどタイムは上がる。その時点では気温や湿度はあまり関係なく、コースを覚えたことやクルマに慣れたことが主な理由だろう。しかし一定のレベルに達すると、いわゆる『壁』が立ちはだかるのだ。

 この際に初心者ほど「もうクルマが限界かも」と思い込み、チューニングに走ってしまう傾向が強い。趣味なので闇雲にお金をつぎ込むのも否定はしないが、以下に挙げるようなサインがあってからでも遅くはないし、チューニングの効果をフルに引き出せるはず。

 もっとも分かりやすい事例としては、タイムのバラつきが少なくなること。仮に5~6周を全開でアタックしたとき、遅いクルマに引っかかったなどの理由があれば別だけど、各ラップの差が1秒もあるようではドライビングが不安定な証拠で、まだまだビギナーの域を出ていない。もし0.2~0.3秒くらいの範囲に収まれば、ウデが上がってきた証拠として判断できる。モチロン狙ってタイムを揃えるのではなく、全開で走った結果というのが大前提だ。

 またベストラップが出るタイミングも、ウデの良し悪しを判断するいい材料。何周も何周も走って身体が走り方を思い出し、最後にベストが出るようではビギナーといえる。理由はタイヤにせよブレーキにせよエンジンにせよ、周回を重ねるごとにクルマは疲弊していくもの。

 つまり、上手な人は後半になるほどタイムは落ちるのが当然で、最後の最後にベストが出たのは気合と根性の成果といえるかもしれないが、クルマの状態がいい序盤ならもっとタイムは伸びているに違いない。

 コースの混雑や路面コンディションにもよるが、公式レースではトップ勢の大半が予選の2~3周目でベストラップを記録するので、機会があればサーキットに足を運んで観戦してみよう。

 そして、クルマでいえば「タイヤ」がドラテクを診断する最高の材料といえる。駆動方式にもよるが、フロントが激しく片減りしたり削れ方がボロボロであれば、ステアリングを強引にこじって曲げようとしている証拠。ブロックの端が千切れたりしておらず、キレイな減り方をしていればタイヤにムリをさせていない、つまり丁寧な荷重移動でクルマを曲げており、それができれば脱ビギナーと胸を張っていえる。

 くわえて自分のクルマが”FF”ならばリヤタイヤに注目。操舵も駆動もしないので最初はなかなか減らないし、空気圧もフロントほど上がらないと思う。それが上達するに従いリヤタイヤも温まるようになり、かつ摩耗する量も増えてくるのだ。

 いわゆる「4輪をキチンと使っている」状態で、フロントタイヤに頼りがちなFFでは上達の大きな目安となる。冒頭で書いたとおりベストタイムは気象や路面の状態に大きく左右され、必ずしもテクニック上達の確かな指針とはなり得ない。それよりもココで紹介したサインを見逃さず、より効果のあるチューニンングを楽しんで欲しい。

*写真はイメージです

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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