ボディの一部に木材を使い続けているモーガン
クルマを構成する素材といえば、やはりスチール(鉄)がメイン。そしてホイール、バンパー、内装などの部位に合わせてアルミ、樹脂、布や革などの素材を使い分けている。木材は、クルマが生まれて間もなかった時代に、車体に使われていたことがあるが、現在では高級車の内装装飾に見られる程度だ。そんな中、イギリスのモーガンでは、今でもボディの一部が木材で作られている。
モーガンの主力車「4/4」は、基本的に1936年から不変
モーガンは1909年に創立された歴史あるメーカーで、創業時から現在に至るまで、一貫してハンドメイドによるスポーツカーを製造している。当初はフロント2輪+リア1輪でのスリーホイーラーの販売が主だった。スリーホイーラーのエンジンはバイク用で、フロントラジエターの前方に置かれて前輪を駆動していた。現在でも復刻版が製造されている。
同社初の4輪車「モーガン4/4」が登場したのは1936年。4/4は「4気筒の4輪車」を意味するが、その名の通り、エンジンは英国フォード製の4気筒が選ばれていた。驚くべきことに、この4/4は発売開始以来84年経った今でもモーガンのラインアップの中核をなす。
1955年には独立していたヘッドライトをボディと一体化したこと、搭載するパワートレーンが時代に合わせてアップデートされてきたほかは、基本的には登場時そのままで作られている。