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国産タイヤメーカーも後押し! いま軽バン・軽トラのアウトドア系カスタムが急増中

アゲた軽バン・軽トラにも最適なオフロード系タイヤ

 軽バン・軽トラといえば仕事クルマの代名詞。昔からイジる文化もあったのだが、どちらかといえば一部の愛好者の世界だった。それがここ数年はSUVブームの影響もあり、キャンプや釣りといったレジャーに活用したり、そうしたスタイルでドレスアップを楽しむ人が急増。イジる方向性も自然とリフトアップ系が中心となり、関連パーツも多くリリースされるようになった。

 そんな状況下において、密かに販売競争が繰り広げられているのが、リフトアップした軽バン・軽トラ向けの国産オフロードタイヤだ。

 A/T(オールテレーン=全地形)やM/T(マッドテレーン=泥地形)タイヤと呼ばれている部類で、一般的なノーマルタイヤとは違ってデコボコ、ゴツゴツしているのが特徴。ぬかるみや砂利道といった未舗装路に強く、見た目も無骨でワイルド。

 これを軽バン・軽トラに履かせるだけで一気にオフロード感が出てくる。同時にリフトアップをすると効果倍増だが、ノーマル車高のままでもかなりイメージを変えられる。

 なおかつ実際に不整地にも強いからアウトドアユースで重宝。ルックスと実用性の両方を兼ね備えたオフロードタイヤは、今やクロカン四駆のためだけの存在ではないのだ。

新境地を切り開くTOYO TIRES「オープンカントリー」

 中でも軽バン・軽トラに人気のタイヤといえば、トーヨータイヤの「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」が最右翼だろう。ここ数年で急激にシェアを伸ばしている注目ブランドで、中でも「オープンカントリーR/T」は、軽バン・軽トラ以外にもハスラーやジムニー、普通車ではランクル&プラド、デリカD:5、RAV4といったクルマたちによく履かれている。

 「もともとオープンカントリーは北米で展開していた大型SUVやピックアップトラック向けのオフロードタイヤ。そちらでまずしっかりと地盤を固め、満を持して2016年から国内でも販売が始まったんです」と広島県のプロショップ・エススタイルの菅原さん。

 その国内向け第1号となったのがオープンカントリーR/T。R/Tとは「ラギッドテレーン」のことで、「デコボコのある」「ゴツゴツした」地形向けという意味になる。従来のA/TともM/Tとも違う、いってみれば両者のイイトコ取りをしたようなトーヨータイヤ独自のジャンルだ。

「A/Tだと少し物足りないし、M/Tではゴツ過ぎる。だったらその中間を、という絶妙なポジションを突いたタイヤ。見た目はそれなりにデコボコ感があるのに、舗装路でも快適に走れる。もちろん一般的なロードタイヤのような静かさや乗り心地までは望めませんが、初めてオフロードタイヤを履いた人でも、抵抗なく乗れるレベルだと思います」。

 ということで、特にファッション目的でオフロードタイヤを履きたいユーザーに大いにウケた。販売当初のメインターゲットは主にハスラー(初代)であり、そのユーザー層のニーズとぴったりマッチしたのも大きい。

 また軽バン・軽トラの純正サイズである145/80R12を比較的早い段階からラインナップしていたのも人気の幅を広げた要因だろう。

四駆乗りなら誰もが知るYOKOHAMA「ジオランダー」

 ヨコハマタイヤが誇るSUV向けタイヤブランド、「GEOLANDAR(ジオランダー)」。ちょっと詳しい人なら、ジオランダーと聞けば「ああ、四駆用のタイヤね」という認識をお持ちのことだろう。

 1996年の誕生から現在まで高い人気を保ち続けているブランドで、「ジオランダーM/T G003」「ジオランダーA/T G015」など全11シリーズを展開中だ。

「90年代のRVブームが過ぎた後も堅実に品質向上や改良に努め、熟成を重ねてきたブランド。国内での知名度はBFグッドリッチと並んで抜群です。四駆ショップからの信頼性も高く、タイヤで迷ったらジオランダーを選んでおけば間違いない、というアドバイスをしているところも多いんじゃないでしょうか」と前出の菅原さん。

 ただ、これまでジオランダーシリーズで軽バン・軽トラが履けるサイズラインナップは少なく、ジオランダーA/T G015の165/60R15(外径579ミリ)あたりが何とか履けるかな、といった感じだった。

 やや余談にはなるが、弊社発行の軽自動車カスタム専門誌「K-STYLE」のデモカーだったホンダ・N-VANもジオランダーA/T G015の15インチを装着。1年強で2万キロオーバー、山中から高速道路まであらゆる路面を走りきったようだ。

 そのヨコハマタイヤが今年の3月から、ジオランダーM/Tは145/80R12、ジオランダーX-ATは145R14サイズを追加ラインナップ。遂に四駆の王道タイヤが、軽バン・軽トラをターゲットとして捉えはじめたのだ。

 スタートこそオープンカントリーに遅れをとったものの、やはり国内での知名度やブランド力は随一。これからジオランダーが軽バン・軽トラ業界でメジャーな存在になっていくのは間違いないだろう。

 「中でもジオランダーX-ATは、ジャンル的に見るとオープンカントリーR/Tの直接の対抗馬。ジオランダーシリーズの中では最も新しく、ヨコハマとしても相当力を入れているのは間違いない。まだ出始めなので評価はこれからといったところですが、今後の展開も楽しみなタイヤですね」。

 最後にオマケ情報を少々。ヨコハマタイヤには「PARADA(パラダ) PA03」という銘柄がある。16・17インチを用意し、主にハイエースで人気のタイヤなのだが、もうすぐ軽バン・軽トラでも履けそうな165/55R14(外径537.6ミリ)が近日追加されるとのこと。

 トレッドはボコボコ系ではないものの、軽バン・軽トラにドンピシャサイズの国産タイヤはまだまだ数少ない。イジり方や好みによってはこの方がハマることもあるだろう。こちらも要注目だ。

 

【取材協力】
エススタイル
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◆tel.082-548-9602
◆営業時間:10時~19時
◆定休日:イベント参加日

 足まわりや外装が得意なカーショップ。元タイヤメーカー社員という経歴を持つ代表の菅原さんは、タイヤ全般に豊富な知識を持つ。またオリジナルパーツブランド「O.D.K STYLE」も展開し、ジムニー用アイテムなどを販売中。

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